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最終更新日:2019年11月12日(火)


道有林釧路管理区紹介(釧路総合振興局森林室)


道有林


道有林釧路管理区の位置図
北海道釧路総合振興局森林室が管理している森林は、釧路管内厚岸町と浜中町、根室管内別海町に所在しています。
道有林釧路管理区位置図
 
道有林の管理と森林整備

 森林は、その存在によって豊かな水を育み、山崩れや土砂の流出を防ぎ、二酸化炭素の吸収・貯蔵、保健休養の場の提供、そして木材等林産物の生産など、私たちの暮らしに深く関わっています。
道有林は道民共通の財産です。そしてこの大切な森林を末永く守り育てていくためには基本的な考えを定めたうえで計画的に取り扱っていく必要があります。
 北海道では、道有林全体の森づくりの基本方針を定める
「道有林基本計画」を策定し、これを基本としながら、更に道有林を13の区域(管理区)に分けて、その区域の特色に合った森づくりの方針と具体的な事業を定める「整備管理計画」を立てて、道民の皆さんの期待に応える豊かな山づくりを行うこととしています。

※北海道有林野釧路管理区 平成29年整備管理計画書(H29~H38)

 
管理区の概要 

自然的・社会的条件
 道有林釧路管理区は、釧路管内の厚岸町・浜中町と根室管内の別海町に所在しています。
 気象は、千島海流の影響を受け一般に冷涼で年平均気温は6~8℃、年間降水量は、1,000~1,100mmとなっています。特に、夏季は
海霧で日照が遮られて低温、多湿となる一方で、冬季は雪が少なく寒冷なため土壌凍結が著しくなります。
 当管理区が所在している根釧南部地域の基幹産業は、水産業と農業で、水産業ではサケ定置網漁やサンマ漁、厚岸湾や太平洋沿岸での昆布漁やカキ・アサリの養殖、オホーツク海(根室海峡)沿岸でのホタテ・ホッキ養殖などが盛んに行われています。
農業は平坦な地形を利用した大規模な酪農が営まれています。

 管理区の森林は、こうした産業と深い関わりをもち、農地への霧の侵入防止や河川の水質保全など、良好な環境を維持する重要な役割を担う一方で、古くから木材供給を通じて、地域住民の生活や産業に大きく貢献してきました。当管理区の森林は、ほぼ全域が防霧保安林、道立自然公園、鳥獣保護区などに指定されていることから厚岸湖などの湖沼や河川に対する環境の保全と水質の確保が強く求められるなど、森林の公益的機能の高度発揮の上で重要な位置づけとなっています。

 また、道東地域ではエゾシカによる農林業被害が近年増加傾向にあり、北海道における被害額の6割以上を占めるなど、地域住民の生活や産業に影響を与えています。

釧路管理区周辺での牧場の風景 昆布干し
 釧路管理区周辺での放牧地の風景 太平洋沿岸の昆布漁(天日干し)
 

森林資源の概要
 当管理区の面積は約144百haで、現在の蓄積は約252万m3となっています。
 このうち
天然林は89百haで159万m3を有し、丘陵地帯に広く分布する混交林と湿原に面して沢沿いに広がる湿原林に分けられます。
 丘陵地帯の天然林の大半を占める混交林は、針葉樹の比率が高くha当たり224m3前後と高蓄積を有しています。しかし、一部の森林においては、トドマツ上層木が中・下層の更新木の生育を著しく阻害していたり、林木の持続的な再生に欠かせない若木が不足していることなどから、森林の若返りによる森林機能の維持・回復が急がれます。
 
湿原の天然林は、ヤチダモやヤチハンノキ、ヤナギなどの広葉樹で構成され、水質の保全や河畔域の保護の役割を果たしています。その下流域には豊かで自然環境に恵まれた大きな湿原が広がり、シマフクロウやタンチョウなど多くの希少鳥獣の生息域となっています。
 
人工林は67%が標準伐期齢を超過した森林で構成されており、老齢化が見込まれることから、公益的機能の維持増進のため、多様な森林整備を通じ、健全な森林に誘導していく必要があります。

 また、エゾシカによるアオダモなどの食害や角擦りによる被害から、樹幹の腐朽被害が発生するなど後継樹不足や森林生態系への影響が懸念されています。人工林では、トドマツ・アカエゾマツ林分での角擦り被害が顕著で、幹の損傷により腐朽が進行し、健全な成長を望めない林分が多く見られます。天然林では、樹皮や枝葉の食害が見られ、アオダモ・ニレ類・イチイなどが優先的に被害を受けています。特にアオダモについては、枝葉や樹皮の食害が管理区内の個体の大半で見られ、このため、資源の減少が危惧されています。

人工林樹種別森林面積グラフ 天然林針・広別森林面積グラフ
 
 整備・管理に当たって重視する点 
公益性を全面的に重視する森林の整備・管理の推進
 当管理区では、特に公益的機能の維持・向上を主目的として多様な森林施業を展開し、道民の皆様に森林の多様な恵みを享受して頂けるよう整備を進めていきます。
 このために多様な階層構造を持つ、樹高の高い木と低い木、太い木と細い木などが境目なく混ざり合う
連続的な複層林(針広混交林)を目指していきます。
 
森林の整備
 
天然林は次世代を担う木の生育をはかるため、次のような施業を推進します。
 〇
受光伐を行い、林内に光を当て稚樹の発生や成長促進を図る。
 〇
立木が少なく更新木が少ない箇所には、トドマツなどの後継樹を植栽し、森林の若返りと活性化を図る。
 〇
混み合った林では、積極的に間伐を行う。
 〇
太平洋に面した森林で立ち枯れや風倒が目立ってきている箇所は、積極的に植栽を行って公益的機能の維持向上を図る。
 
人工林については、林木の成長に合わせた計画的な保育(間伐)を実施し、公益的機能の維持向上のため、老齢衰退木などを伐採(受光伐)して植栽等を行い森林の世代交代を徐々に進める補助的作業を実施します。
代表的な天然林の姿 53年経過した人工林    
   代表的な天然林の姿   53年経過した人工林 
 
路網の整備
 林道
は、森林整備の事業箇所や道民に開放する箇所などの利用頻度の高い路線から効率的に維持を進めています。
 施業道については、専ら施業を行うために取り付けられた作業道であるため、森林整備の事業箇所を対象に維持を進めていきます。
 
木材の利用
 公益的機能の維持増進のために必要な森林整備により伐採された木は、木材の優れた特性を積極的に道民生活に利用・役立てていただきます。
 
治山について
 地域住民の生活や地域産業を厳しい気象から守っている保安林の機能維持に努めるとともに、老齢化や気象害により荒廃した保安林の整備を実施して確実な機能の回復を図り、緑豊かでうるおいのある生活の確保のために、
保安林の整備を進めていきます。
 また、住民の居住地に隣接している危険な山地を保全して、土砂崩壊などの自然災害の防止に努めるほか、万一災害が発生した場合は緊急に対策を講じるなど、住民生活の安全確保につながる
施設整備を進めていきます。

厚岸町の治山施設
 
自然環境への配慮
 森林の整備に当たっては、施業の方法や実施時期に考慮するなどして、渓流に及ぼす影響を最小限に止めます。
 また、
野生動物の移動経路や生物多様性の保全にとって重要な河川や、その流域の周辺及び尾根沿いなどでは、森林環境の変化を最小限に止めるとともに、小動物や野鳥の住みかとなる枯れ木や空洞木、木の実などの食料を提供する食餌木を残置するなど、野生生物への配慮に努めます。
 特に、森林と渓流の生態系は密接につながっており、渓畔林は水質の保全や魚の生息環境など重要なはたらきを担っています。このような機能を十分に発揮させるため渓畔林の保全に努めます。 
別海町床丹川の渓畔林
別海町床丹川周辺の渓畔林
 
道民の理解と参加
 道民全体に支えられた道有林の整備や管理を進めるため、道有林を広く開放して様々な道民活動に供すると共に、道有林野事業の計画や実績を積極的に公開して、「日常的な道民の参加」と「事業の評価と情報公開」に努めます。                        
厚岸翔洋高校生の枝打ち実習
厚岸翔洋高校生の実習(枝打ち作業)
 
技術の導入と継承  
 森林整備のためにこれまで培ってきた技術に加え、公益的機能の維持向上を図る新たな技術の導入に努め、道有林を総合的な実証の場としての活用に取り組み技術の継承に努めます。
 
関係機関との連携
 森林整備のためのさまざまな施策や事業において、国有林や一般民有林、関係機関や団体等との連携・協調を図りながら、公有林として関連施策や事業の推進に積極的に取り組みます。


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