有機物の適正な散布量について

有機物の適正な散布量について 

 

 

前回は施肥の時期について記しました。今回は有機物の散布量と良質なサイレージづくりのための散布方法について記します。

 

 ふん尿の適正散布量 

  牧草地の有機物の施用量ですが、まず施用するふん尿から牧草に供給される窒素、リン酸、カリウムの肥料成分量を把握します。分析値がない場合には標準的な値として表1を参考にして下さい。 
 

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  表2はチモシー採草地の施肥標準です。マメ科率15~30%の草地に有機物を施用するとして計算すると、堆肥は6tでスラリーでは4.5t、尿では1.6tでカリが年間に撒く施用標準の基準値となります。スラリー、尿では窒素もオーバーすることになります(表3)。 
 

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 これ以上の有機物施用は過剰施用となり、バランスが崩れてしまいます。
 窒素の過剰施用は牧草地の硝酸態窒素含有率を増加させ、カリウムの過剰は苦土の吸収を抑制するなど飼料としての品質を低下させてしまいます。

 サイレージ用とうもろこし畑にふん尿を過剰に投入していることがしばしば見受けられます。施用上限量は4~6t/10aです(家畜糞尿処理・利用の手引き 2004)。施肥標準を超えない量の散布と不足分を化成肥料で補いましょう。 

 

 良質なサイレージづくりのための散布

   早春に堆肥やスラリーを散布する場合は、散布後収穫までに50日以上あけましょう。そして、堆肥が塊になっていることがあります。パスチャーハロー等(写真1)で堆肥を均一にならし、原料草への堆肥の混入を防ぎましょう。
  土壌分析を行って我が家の土を把握し、有機物の施用、ミネラルのバランスを含めた、適正な施肥を行いましょう。

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写真1 パスチャーハロー 

 

 

 

 

 

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