災害時の対応を検討しましょう

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災害時の対応を検討しましょう
(停電対策を中心に)  

 

 

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昨年は、甚大な被害をもたらした台風による停電、乳房炎、建物の損壊がみられました。
 「備えあれば憂いなし。」昨年の教訓を忘れずに、農場ができる非常時の備えについて考えてみましょう。

 

1 台風通過後の影響 

 昨年の8月16日~17日に釧路を直撃した台風7号による影響で、長期に停電が発生しました。バルクの冷却ができなかったことによる廃棄乳の発生、搾乳ができないことによる乳房炎の発症、その後の牛の体調不良、アルコール不安定乳の発生がみられました。
 図1にA地区の台風通過前後の出荷乳量の推移を示しました。出荷量は廃棄乳の分と、その後の回復までの期間で減少しており、影響が長期間にわたっていたことがうかがえます。乳房炎がなかなか治まらず、牛舎に行くのがおっくうになるという声も聞かれました。

 

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2 自家発電機の導入の検討 
 停電による被害を最小限に食い止める備えが、自家発電です。A地区でも自家発電を導入していた農場では、最小限の被害で済んだという例もありました。
 自家発電機には、エンジン式とPTO駆動式(写真1)があります。導入に当たっては助成がある場合や、北電、関係官庁に届出が必要になる場合もありますので、ご確認ください。 
 

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写真1 自家発電機(PTO駆動式) 

 
 導入が難しい場合でも外部電力をすぐに受け入れられるように「外部電気導入用切替開閉器 」を準備しておきましょう。また、ミルカー、バルクタンク、バーンクリーナーなどに最低限必要な電力を把握しておくことも重要です。
 不適切な接続方法や、必要電力に満たない発電機を使用するなどで搾乳機器の基板が故障する事例もあります。接続の際は、電気工事技師に依頼しましょう。
 また、リース会社に借入条件を確認しておく、地域で融通し合う仕組みを考えておくなどの対応を検討してください。
 
3 停電が長引いたときの対応  

(1) 泌乳の刺激になるような濃厚飼料の給餌を控える。
(2) 頻繁な人の出入りを避ける。

 搾乳間隔が35時間を超えると泌乳は停止するので、それまでに対応を講じつつ、決して焦らず通電を待ちましょう。

 
4 体調不良の対応

(1) 停電後、最初の搾乳はブツの有無を確認する。
(2) アルコール不安定乳が出るなど体調が思わしくない場合は、糖蜜飼料を粗飼料に振りか けるなど、エサの食い込みを落とさないようにする。
(3) 乳房炎等が見られたら、速やかに獣医師の診療を受ける。
(4) 牛舎内の通風、牛床を乾かすような専用資材の散布を行う。

 昨年の長雨高湿度条件でも牛床の乾燥に努め、乳房炎の発生がそれほど見られなかった農場もあります。

 天災が来ないに越したことはありませんが、もしものために農場での対応をご検討ください。 

 

 

 

 

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