地域のほ場条件に合った排水対策の徹底を

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地域のほ場条件に合った心土破砕機を選定し排水対策の徹底を  

 

 

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昨年の8月中下旬の台風の影響により、飼料用とうもろこしのほ場は滞水し、収穫作業が大幅に遅れたことから、排水対策の重要性が認識されました。
 しかし、排水対策は必要とされていますが、効果の高いとされている心土破砕の実施は少ない状況です。
 特に釧路市のほ場では、排水不良で土中に石レキが多く、サブソイラの施工に支障のあるほ場があります(写真1)。
 今年3月、某TMRセンターにおいて、コーンサイレージ安定確保のため農業者向けの勉強会を行いました。具体的な排水対策としてサブソイラ施工を提案したところ、 「石レキの多いほ場ではサブソイラ施工は難しい」との意見が出されました。そこで普及センターは情報を収集し、ほ場条件に見合った心土破砕機(ハーフソイラ)の実演を提案しました。

 

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写真1 石レキの多いほ場ではサブソイラ施工は敬遠されがちである 

 

1 ハーフソイラの実演

 施工したほ場は石レキが多く、30~40 cm の深さに硬盤層がありました。施工深は 50 cm に達し、硬盤層を破砕することができました。また心配されていた石の持ち上がりは見られませんでした(写真2)。

 

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 写真2 ハーフソイラ施工後の石の持ち上がりは見られない

 
2 生育調査の結果
 施工したほ場の水はけの悪い場所でハーフソイラ施工区と施工しない区を設置し、根の確認と生育調査を行いました。
 6月26日の根張りは施工区が根長で優りました。これは水の縦浸透が良くなると通気性・透水性が確保され地温が上昇して、根域の拡大がはかられたためためと思われます。
 また、施工区は雄穂抽出期が2日早まり、草丈は施工区が6月以降一貫して優ったことから収量向上が見込まれます。 
 

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図1 6月26日では、施工区は根の長さで優る 

 

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図2 生育調査結果 

 
3 最後に

 TMRセンターではハーフソイラ施工の実演が契機となり、40 ha 実施されました。
 今回は、試験的に春施工しましたが、作業能率は1 ha/時間と高くはないため、中西部管内の一部地域でも行われている秋施工をお勧めします。
 合わせて、今後、コーンサイレージの安定生産や作業性の確保のため、数年に一度の排水対策の実施にむけてほ場台帳を用いて施工計画を立ててください。

 

 

 

 

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