子牛の管理2 子牛の寒冷対策

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子牛の管理2
子牛の寒冷対策  

 

 

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前回の子牛の下痢対策に引き続き、今回は、子牛の寒冷対策について説明したいと思います。

 

~子牛は寒さに弱い~

 寒さに弱い理由として、
1 体重当たりの表面積が大きい
2 体脂肪が少ない
3 第一胃の発酵熱が少ない
などといったことがあります。
 そのため、哺育牛の成長に影響する温度は 13 ℃以下と言われており、泌乳最盛期の乳牛の生産性に影響する -25 ℃以下と比較しても、寒さに弱いことがわかります。

 
~気をつける時期はいつ~ 
 例として、鶴居村の月別の平均気温(図1)を見てみます。
 施設内の気温が外気温より 5 ~ 10 ℃程度高いことを加味すると、子牛にとっての寒い時期は、平均気温 5 ℃を下回る11月~4月であり、寒冷対策が必要な時期になります。 
 

fig1.png

 図1 鶴居村の月平均気温(アメダス)

 
~寒さによる影響~ 

 寒冷時には、より多くのエネルギー源を必要とします。この維持エネルギー補わなければ、増体の遅延や免疫力の低下をもたらし下痢や肺炎などの疾病の増加につながります。
 そのため、平均気温が-5℃を下回る厳冬期は、生乳の場合、生命維持だけでは約4リットルのほ乳量が必要であり、増体分を見込むと約6リットルを給与しなければなりません(図2)。

【哺乳の注意点】
 厳冬期は、ミルクの温度が低下しやすいので、通常より少し温かいお湯で溶かしましょう。

【新生牛の保温】
 新生牛は、体表が羊水で濡れているため、揮発熱により、体温が奪われやすくなっています。
 そのため、被毛の早期乾燥が重要で、母牛のリッキングやタオルなどでの清拭が必要です。
 最近は、保温機の導入が進められています。これにより数時間、新生牛を置いておくことで、効率的な被毛の乾燥を図ることができるようになりました(写真1)。農業者からは、「乾燥後の初乳の飲みが良くなった」などの声があり、効率的な抗体の接種が可能になったと考えられます。  

 

fig2.png 

 図2 維持エネルギー要求量と気温(NRC2001)

 

pho1dry.JPG 

写真1 保温機 

 

【出生以降の保温】
 出生以降も、完全な自己免疫を獲得するまでに、1ヵ月程度かかるため、その間も十分な保温管理が重要です。
 対策例として、
1 ジャッケトやネックウォーマーの着用
2 湯たんぽやヒーターの設置
3 十分な敷料やゴムマットとの併設
  (オガクズ: 8 cm以上)
  (麦稈:四肢が隠れる程度)
4 すきま風の進入防止や側壁へのカーテンの設置
などがあります。

 この冬は、ぜひ寒冷対策に取り組んでみて下さい。 

 

 

 

 

 

 

 

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