冬の換気について 新鮮な空気の入れ換えを

冬の換気について
新鮮な空気の入れ換えを! 

 

 

  師走となり何かと忙しい時期になりました。
 朝晩の冷え込みもいっそう厳しくなり、牛舎の扉なども閉め切り、空気も淀みがちになる季節です。
 冬の換気を考え、新鮮な空気を牛に与えましょう。

 
換気不良がもたらす不具合 

 牛舎を閉め切った状況では牛の呼吸やふん尿から立ち上がる湿度、炭酸ガス、アンモニアなどにより、空気が汚染されます。

1 温度が上がることで、窓、天井に気温差で結露が起こり、湿潤となり、窓は凍結で開かなく 
 なります。

2 湿度の上昇と相まって牛床も湿潤で菌の繁殖も多くなり、乳房炎の原因となります。

3 閉め切った状態ではアンモニア濃度が上がり、呼吸器病の発生につながります(育成牛で 
 は重篤となる事例もあります)。  

 
冬の換気量
 換気量は夏では1時間当たり牛舎容積の 50 回分の容積を入れ換えなくてはなりませんが、冬では5回程度の換気容量と夏の 10分の1の換気量です。

 

牛舎タイプでの換気 
1 つなぎ牛舎(自然換気) 

 自然換気の原動力は、自然風と温度差による空気の対流です。
 冬期間は牛体から出る代謝熱などにより、暖められた空気で起こる上昇気流、対流を逃すことで、換気をします。
 また、入気無しでは空気は動きません。軒からの入気や、扉、窓の開閉が必要です。

 

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 図1 自然換気の空気の流れ

 
2 つなぎ牛舎(強制換気)  
 トンネル換気など強制換気では、換気扇をインバータで常にゆっくり回して牛舎内に少しの風を流すようにします。インバータで回転をコントロールできない換気扇では、1台だけで換気をするなど手当が必要です。 
 

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 写真1 冬はインバーター、 あるいは換気扇1台で

 
3 フリーストール牛舎(自然換気) 
 つなぎ牛舎と同様に牛の代謝熱で暖められ上昇する空気の対流を天井解放のオープンリッジなどから排出します。
 吹雪対策などで軒や窓、カーテン、出入り口の扉などをしっかり閉めて空気が入らない牛舎も見られます。 
 

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 写真2 オープンリッジからの排気

 
冬の換気の注意点  

 『換気』は文字の通り空気を入れ換える事ですから、入る空気がなくては換気が成立しません。
 夏の風を当てて、体温を下げる暑熱対策とは違います。改めて冬の『換気』を考えてください。

 

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写真3 快適な空気を

 

 

 

 

 

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