土壌凍結の実態と牧草への影響

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土壌凍結の実態と牧草への影響 

 

 

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 雪が溶けて畑が顔を出してくる春、「牧草は枯れていないだろうか」、「いつごろトラクターが入れるだろうか」と気になる方も多いと思います。
 これらを左右する要因の一つが土壌凍結です。
 普及センターでは、平成27年から管内数カ所で土壌凍結管(写真1)を設置して凍結深を測定しています。
 今回は、そのうちA、B二地点の結果をお知らせします。

 

 

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写真1 土壌凍結管
(左:管の内部、右:外見) 

 
1 土壌凍結とは

 土壌凍結とは、土壌中に含まれる水分が凍る現象です。
 土壌凍結が発達するのは日平均気温が0℃以下で積雪深が20cm以下に限られます。
 つまり、積雪深が20cmを超えると、いかに少雪寒冷な根釧地方でも土壌凍結は進みません。

 

2 土壌凍結の実態

 平成27年~28年(以下、27年)と平成28年~29年(以下、28年)の調査結果を図1に示しました。

 

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図1 土壌凍結深の推移 

 最大凍結深を見ると、27年は両地点とも40cm弱でしたが、28年は地点間に差があり、A地点は12cm前後、B地点は30cm前後でした。
 差が見られた要因は、28年のA地点の降雪が12月初旬にまとまってあり、そのまま積雪状態で経過したためと考えられます。 
 
3 牧草への影響
 近年、高栄養牧草として注目されているペレニアルライグラス(PR)は土壌凍結に弱いと言われています。
 B地点は27年にPRを主体としてチモシー、メドウフェスク、シロクローバーを混播した放牧地(表1)です。土壌凍結が40cm弱と深かったせいか、翌春にやや冬枯れが見られました(写真2)。
 このように、PRには冬枯れの可能性がありますので、融雪後の状況を確認し、必要なら追播を考慮しましょう。 

 

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 写真2 PR混播放牧地越冬後の様子
手前と右奥に多少冬枯れが見られる

 
4 今期の途中経過と春作業に向けて 

 今季は積雪が少ないため2月16日現在の土壌凍結深は約40cmと深くなっています。
 土壌凍結深が深くなると、春の地温上昇が鈍くなり、土壌の乾きが進みません。その結果、農業機械が入れる時期が遅くなり作業が遅れます。
 その場合は、ほ場作業以外の作業を先に実施するなど、効率的な作業日程を組みましょう。 

 

 

 

 

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