繁殖成績アップのためにみんなでチェック

繁殖成績アップのためにみんなでチェック

 

 

 

 乳牛が分娩し、その後人工授精を行い受胎する。その分娩から受胎までを空胎日数といいます。前の分娩から次の分娩までの日数を分娩間隔といいます(空胎日数+およそ280日、図1)。

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図1 乳牛の分娩間隔

 

 釧路管内平均の分娩間隔は430日(北海道酪農検定検査協会)、目標とされる分娩間隔は400日であり、皆さん繁殖に悩まれていることが分かります。

 

繁殖成績低下の弊害

 繁殖成績が悪化すると乳量がどれだけ下がるか計算してみましょう。
 分娩間隔から乾乳日数(60日)を引くと搾乳している日数となります。搾乳日数を2で割ると牛群の平均搾乳日数となります(均等に搾乳日数がばらついている場合)。

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図2 搾乳日数長期化の損失

 

 分娩間隔が400日では平均搾乳日数は170日、430日では185日となります。
 たとえば平均搾乳日数が15日延長した場合、図2の泌乳曲線から乳量低下を推定すると一頭当たりおよそ1.2kg乳量が低下しています。
 搾乳頭数が40頭の場合、1日48kgの乳量低下を伴い、牛一頭分搾れていません。

 

 

 

 

繁殖管理のポイント

 繁殖成績アップのためには、担当者だけでなく家族・従業員みんなでチェックする体制づくりが大切です。
 そのための繁殖管理のポイントは

  1. 発情周期を見逃さないために、誰でも本日の要注意牛がわかる
  2. 未受胎の牛が何頭いるのか皆がわかる(全体の状況がわかる)

ことです。このポイントを抑え、家族も見てわかる繁殖ボードをつくりませんか?

 

 

繁殖管理ボードの作成事例(搾乳頭数40頭規模)

材料

  • ホワイトボード(86cm×120cm)
  • 両面マグネットシート(片面シロ、片面キイロ)
  • 罫線テープ
  • マーカーペン
  • ボード消し
  • 21日周期の繁殖カレンダー

作成方法

 牛の並び順に個体番号を記入し、分娩日・授精日・妊娠すれば分娩予定日を記入します。妊娠牛は個体番号のマグネットを裏返して、見やすく色を変えます(図3)。
 発情周期は繁殖カレンダーで確認します。

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図3 繁殖ボードの例

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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