省力化技術2 哺育ロボットについて

省力化技術2~哺育ロボットについて~

 経営規模を拡大する場合、搾乳牛は当然増加しますが、管理する子牛も預託を考えない限り増加します。また、多頭数を人手で哺乳することは、従業員の負担増加に繋がります。そのため、哺乳ロボットを導入し、省力化を図ることは大きなメリットがあります。そこで今回は、哺育ロボットの特徴や使用の注意点などをご紹介します。 

 

メリット

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図1 ロボット内部(オリオンHPより)

1 労働力の軽減

 

代用乳の調製および給与作業が省略できます。          

2 個体管理の徹底         

飲乳スピードや飲乳量を個体毎で確認できるため、調子の悪い子牛を発見しやすくなります。

3 頻回哺乳

 一般的な2回哺乳では、1度に消化能力を超える代用乳の量が消化器に流入する可能性があります。頻回哺乳は、適度な量の代用乳が流入するため、消化性が高まり、下痢発生の抑制効果が期待できます。

4 品質の安定化

 人手哺乳では、温度や濃度がばらつく可能性がありますが、コンピューター管理により、定温・定濃度の給与が可能です。

 

 

注意点

 上記の効果を十分に発揮させるためには、日々のメンテナンスが重要となります。

1 混合補正

 ロボットの定量給与に誤差が発生することがあり、誤差による濃度の不安定さが、栄養の過不足や下痢等の原因となる可能性があります。
 そこで、定期的に補正を行う必要があります。手順は、まず、ハンディで計量モードを選択し、実測値を確認します。その後、実測値を入力することで誤差が補正され、基準値に近づくまで計量を繰り返します。
 誤差の発生原因として、お湯の蒸気により、投入口で代用乳が詰まることが挙げられます(図2)。投入口は、定期的に詰まりを確認し、詰まりを棒状のもので除去してください。その際、投入口には、刃が付いていますので、指で詰まりを取らないで下さい。

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図2 投入口
※自動計量のオプション機能を搭載できる機種もあります。手動での計量も可能です。

2 洗浄等について 

 洗浄は、基本的にミキサーのみ自動で行われます。初期設定では、2回になっていますが、3~4回に変更することをお薦めします。
 ミキサー以外のホースは、手動による循環洗浄を行います(新機種には、自動循環洗浄機能が搭載されています)。毎日のアルカリ洗浄と週1回の酸洗浄が推奨されています。また、洗剤は、定量ポンプにより、自動的に排出されます(図3)。
 乳首は、すすぎ水で内部をリンスできますが、毎日交換し、消毒しましょう。
 ホースや乳首などの消耗品は、4ヶ月に1回交換しましょう。
 現在のロボットには、手動で行う部分が多く、洗浄が疎かになりがちです。ホースや乳首を清潔に維持していくことは、汚染源を少なくし、下痢の予防に
繋がります。

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図3 洗剤関係

 

 哺育ロボットの製造は全て同じですが、販売メーカー毎に仕様が異なることもあります。そのため、説明書等を参照し、今回の内容を是非、取り入れてみて下さい。

 

 

 

 

 

 

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