今年(2017年)は暑い!暑熱対策について
暑熱ストレスは、採食量の不足により、生産乳量の低下だけでなく、免疫力の低下による疾病の増加や受胎率の低下につながります。
暑熱対策が必要な時期や状態をチェックして、適切な対策をとりましょう!
今年(2017年)の夏は暑い?
牛は気温が20度を超えると暑熱によるストレスを受け、その影響は気温が下がっても続きます。
⇒暑熱対策は、9月末頃まで継続しましょう!
折れ線は今年(2017年)の気温です(曲線は平年値)。7月は平年より高い傾向です。
図1 太田アメダスの最高気温・平均気温の推移(2017年)
暑熱ストレスを予測する
次の方法からも牛の暑熱ストレスを予測できます。
牛の行動・状態から予測する
次のような行動や状態がみられた時は、暑熱ストレスを受けていることが予測されます。
□飲水の量・回数が増える。
□呼吸数が増える。
□体温が39.2℃以上ある。
□乳量が減る。
□採食量が減る。
□排尿回数が減る。
気温や湿度から予測する
温度と湿度から牛のストレスの度合いを数値化した温湿度指数(THI)を活用して、ストレス度合いをチェックしてみましょう。
表1 温湿度指数(THI)
凡例
暑 熱 対 策
対策 |
具体的方法 |
飲水量を確保する | パドックやFS牛舎通路外側に臨時水槽を増設する。水槽の掃除も行う。 |
良質な粗飼料を給与する | NDFの低いサイレージを給与する(今年の早刈1番草など)。 |
放牧地での日陰・給水を確保する | 日陰(林など)と十分な水を確保する。夜間に放牧する。 |
常に新鮮な飼料を給与する | 牛体に直接風を当てる、すだれ、カーテンで牛舎内に入る日光を遮断する。 |
飼料の喰い止まりを防止する | 乳脂率の低下は、ルーメンアシドーシスのサインの1つです。重曹を 100~200g/頭/日 給与する。 |
臨時飼槽・水槽の例
ギ酸のタンクを活用し、簡易飼槽を設置
<使用例>
塩や重曹を入れて・・・自由採食
水をはり・・・水槽の増設
(この情報は、2017年7月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発信したものです。)