乳房炎簡易診断液の使い方

乳房炎簡易診断液の使い方

 乳房炎を、牛舎で短い時間で診断できる簡易診断液は、既に動物用医薬品の承認から50年以上経過し、酪農現場で広く使われています。今月は、その正しい使い方を改めて確認します。
 正しい判定方法を理解して、乳房炎の早期発見と乳質の改善につなげましょう。

 なお、今回は、厚岸町・浜中町で広く使われている”P.Lテスター”(製造販売元 日本全薬工業株式会社)を例に解説していきます。

1 P.Lテスターの使用順序

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2 P.Lテスターの判定方法

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判定と対応

キャプション

判定 

対応 

 “乳房炎“の場合   当該分房の牛乳の体細胞数が、80~500万/ml以上あることを示しています。
乳汁検査で原因菌を特定し、結果に応じて適切に治療・対応しましょう。
 “乳房炎の疑い“の場合  当該分房の牛乳の体細胞数が、40~150万/ml程度あることを示しています。
乳汁検査で原因菌を特定し、結果に応じて適切に治療・対応しましょう。

 

3 P.LテスターのQ&A

Q 乳汁とPLテスターとも量を2mlにするのはなぜ?

A 乳汁にP.Lテスターを加えると2つの反応が起きます。

  1. 体細胞が破壊され、その壊れた細胞(核)が絡み合い、粘りと固まりが出てくる(凝集)。
  2. 乳汁のpHに応じ色が変化する。乳房炎乳は常乳よりpHが高いので、緑色を帯びてくる。(常乳:pH6.5~6.7、乳房炎の疑いがある乳:pH6.8以上)

PLテスターを多く入れるとより多くの体細胞が破壊され、凝集反応は強く、色の反応は弱く出てしまうからです。

Q 前搾り乳と後搾り乳で反応が違うんだけど? 

A 一般的に体細胞数は前搾り乳が多く、その後搾乳中の乳は下がって、後搾り乳でさらに上がる傾向にあります。前搾り乳で疑わしいときは、後搾り乳でも確認して下さい。

Q P.Lテスターが白く沈殿していました。大丈夫ですか?

A 23℃以下になると沈殿が始まります。40~50℃の温湯で溶かしてから使って下さい。

【おことわり】

この資料を作成するにあたり、次の資料から図・データを引用しました。

  • 「 生乳取扱技術必携」(平成24年10月) 北海道酪農検定検査協会。

  • 「 P.Lテスター取扱説明書」 日本全薬工業株式会社。

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(この情報は、2018年3月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発信したものです。)

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