夏のやっかいもの"アブ"について
これからの季節、気温が高くなるとアブが活動を始め8月をピークに発生します。アブは主に屋外で吸血し、放牧時やパドックに出た牛が被害を受けます。しかし、天井の高い日差しの入る牛舎や、暑熱対策等で開け放った牛舎でも吸血する場合があります。大量のアブに吸血された場合、放牧地においては採食量が減ったり、ストレスにより乳量が減少することもあるそうです。また牛白血病の水平感染の一因とも考えられています。
対策について
幼虫の時期はいわゆるウジ虫状で、主に湿地等湿った土中で過ごします。そのため幼虫時の効果的な防除はありません。成虫に対する防除が主になります。
忌避剤の使用
忌避剤を染みこませたイヤータッグ等により接触を軽減できます。
プアオン剤の使用
牛の背部に塗布した薬剤により、忌避効果や接 触時に殺虫するもので、塗布後一定期間(約1ケ月)効果があります。薬剤によっては搾乳牛に使用出来るものと出来ないものがあるので、事前に獣医師等に相談して使用しましょう。また、高価なのでアブの発生盛期(8月)に使用するだけでも効果があります(イヤータッグやプアオン剤は農協資材課等で購入出来ます)。
トラップの使用
放牧地やパドックに設置して使用します。シルエットや色、温度、動く部位等で誘因し捕獲します。使用のポイントはシルエットが目立つように広場(草地)の中心に置く様にすると捕獲効果が上がります(写真1・2)(放牧地等に設置する場合、囲い等があると牛にいたずらされにくくなります)。
写真1 自作アブトラップ
写真2 トラップ内のアブ
網戸の使用
暑熱対策などでガラス窓を開け放った場合、網戸を使ってアブの侵入を減らすことが出来ます。また網戸がつけられない窓枠では防虫ネットでカーテンを設置しても効果があります(写真3)。
写真3 ネットカーテン
夜間放牧の実施
アブは夜間活動しないため夏期の夜間放牧は効果があります。
送風機による換気
送風機により強い気流が出来ると侵入をいやがります。
人も牛も暑熱ストレスに注意して作業しましょう。
この情報は、2018年7月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発信したものです。