刈取り高さがイネ科牧草の永続性を決める1

刈取り高さがイネ科牧草の永続性を決める

  1番牧草の収穫シーズンです。高収量・高品質な牧草収穫に向けて、草地の牧草割合を高く維持することは極めて重要な技術となります。

刈取り高さの推奨値

 1番牧草の刈取り高さは、牧草の再生や分けつ数と密接に関係します。収量を確保しつつ牧草の再生を良好にするために、牧草の刈取り高さは10cmが奨励されています。

刈取り高さの調整方法  

  モアコンの刈高を10cmに設定するには、カッターバーの調整(角度調整)とフローティングの調整(高さ調整)が必要となります(イメージ図)。各メーカーが推奨する方法でカッターバーの調整やハイスキット(ソリ)を装備しましょう(写真1・2)。    

    設定後は、平坦な草地で一度刈取り高さを確認することをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

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写真1 カッターバーの高さ調整(角度調整)をおこなうハンドル部分(メーカーにより異なります)   

 

 

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写真2 ハイスキットの設置によるフローティング(高さ)の調整

高刈りの効果

 

  図1・2は、実際に刈取りを高めに設定したことで植生が維持できた事例です。低刈りと比べて、チモシーの分けつ数が増え、翌年のチモシー割合の維持に繋がっています。   

  ここで重要なのが刈取り後の追肥です。高刈りにより再生を良好にし、肥料散布で必要な栄養を与えることで、牧草の生育をさらに強靱なものとします。

 

 

 

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図1 刈高の違いによるチモシーの再生分けつ

 

 

 

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図2 1番草の刈高の違いが翌年の牧草割合に与える影響

   

 

 

 

 

 

 

   「牧草収穫は刈り後の肥料散布まで。それができたら遊びにでかけるよ」と話す農家の親方は、やはり牧草割合を高く維持する『草地の達人』の一人でした。

   今年も安全な作業に留意し、良質な牧草収穫を願います。

 

                   

 

この情報は、2019年6月に標茶町・釧路町の農業者向けに発出したものです。

 

 

 

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