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最終更新日:2019年7月02日(火)

新しい乳成分 FFA を知る


  皆さん、昨年から集乳旬報で新しい項目「FFA」の表記が始まっています(図1)。今月はこのFFAについて考えていきます。

集乳旬報
図1 FFAの欄が追加された集乳旬報(イメージ)

FFAって何?

   FFAは、Free Fatty Acid =遊離脂肪酸の略で、牛乳の風味を測る指標の1つです。

 乳脂肪は、グリセロールと3つの脂肪酸でできています(図2)。そこに脂肪分解酵素(リパーゼ)がはたらくと、グリセロールから脂肪酸が遊離しFFAとなります(図3)。FFAのうち酪酸など揮発性の高い脂肪酸は臭いを発するため、極端に多い場合は牛乳の風味異常につながります。脂肪酸分解による風味異常をランシッド臭といいます。

脂肪酸

図2 正常な乳脂肪(イメージ)

遊離脂肪酸 
図3 分解した乳脂肪(イメージ) 

FFA値の目安は

2.0ミリモル/100g脂肪を超えるとランシッド臭のリスクが増大します。

FFAを高めないために、農場段階でできること

 搾乳・冷却機器の面と飼養管理の面を確認する必要があります。

ア 搾乳・冷却機器の留意点

 生乳が物理的に衝突すると脂肪球を包んでいる膜が破壊され、分解されやすくなります。そのため、生乳の過度な攪拌、凍結、泡立ちは異常風味の原因の1つになります(写真1)。FFAの異常が続く場合は、ミルカー・クーラーも確認しましょう。

  • パイプラインの過度(無駄)な屈曲の有無
  • パイプライン内へのエア流入の有無
  • パルククーラー内での生乳の凍結(例:乳投入後、アジテーターに届くまで時間がかかり、その間に凍結する。)   など

レシーバージャー

写真1 生乳は泡立てないように管理しましょう

イ 飼養管理の留意点

 牛の体調も脂肪分解に影響します。草を十分に食い込ませ、健康なルーメン発酵を維持することが風味異常のリスクを軽減します。


(ア) 粗飼料の十分な給与

 粗飼料が不足すると、ルーメン発酵で得られる脂肪酸の組成も酪酸が多くなります。粗飼料を十分食い込ませましょう。

健康な牛

写真2 健全なルーメン発酵が生乳のおいしさにもつながる。


(イ) 暑熱対策
 暑くなると、牛はルーメンでの発酵熱が高い粗飼料を嫌い、濃厚飼料を選び食いする傾向にあります。暑熱対策をしっかり行い、粗濃比が崩れないようにしましょう。


(ウ) 周産期の採食量低減の防止
 分娩後、採食量が極端に落ちると、牛は体脂肪を動員します。体脂肪動員は、脂肪分解酵素を活性化させます。乾乳期の適切な管理は、風味異常の防止にもつながります。

農作業事故を防ぐため、心に余裕をもって作業を行いましょう!

この情報は、2019年7月に厚岸町の農業者向けに発出したものです。

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