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最終更新日:2019年8月26日(月)

フロストシーディング 

 フロストシーディング(以下、FSと表記)とは、植物の発芽条件の「温度・酸素・水」のうち、温度条件が牧草の発芽に適さない霜(フロスト)が降りる時期には種(シーディング)を行い、翌春の融雪後に発芽させる方法です。
  今回は、普及センターで課題として調査したFS先進的取組農家の事例から技術的導入条件などについて紹介します。

FS導入条件

(1) は種時期
 日平均気温6℃以下で、一時的昇温(日平均気温7℃以上が3日以上)が続かなくなる日。

(2) は種する草種
 草種はイネ科牧草を選ぶ。特にチモシーは種子が小さく比重が重いため、土壌に密着しやすく定着率も高い。
 マメ科牧草は発芽温度がイネ科牧草よりも低いため、種子が吸水し発芽してしまい枯死する可能性が高いことから適さない。

(3) は種量  
 通常のは種量より2~3割程度増量しては種する。

(4) 施肥
 施肥はFSの場合、融雪や降雨による肥料成分の流亡が起こるため、は種前は土壌改良材の施用により土壌の酸度矯正にとどめる。基肥は、翌春に窒素4~6kg/10aを目安に、発芽後ほ場が乾いたら施用する。

(5) は種後の鎮圧
 完全更新の場合、は種後に鎮圧を行う。ただし、土壌が濡れているとローラーに種子が付着してしまうので、土壌表面が1~2cm凍結した時に鎮圧を行うか、ゴムローラを使用する。
 凍結した土壌は浮き上がるため、春にも鎮圧を行う。

(6) ほ場の選定
 保水性、排水性が良好なほ場を選定する。砂土系は避ける。
 平坦地が望ましい。

FS導入によるメリット

(1)11~12月の農閑期に行うことから、作業の分散と余裕をもっては種作業が実施できる。

(2)春播きに比べて、融雪水があることで土壌水分が十分確保されるため、干ばつによる発芽不良を回避できる。

(3)FSでは種した場合、雑草が発芽する前に牧草が冠部を被うため、雑草の少ない草地を作ることができる。

(4)通常の春播きと比べ、6月下旬から7月にかけて1番草の収穫が可能であり、更新年の収量減少の緩和につながる。

施工上の課題

(1) 傾斜地に施工する場合は、エロージョン(表面流亡)を考慮して、鎮圧ローラーに重しを積載して加圧するか、作溝は種機では種を行う。

(2) 降雪後のは種も可能だが、降雪後のは種・鎮圧作業は、クローラトラクタを使用しないと施工が困難。

FS実際事例

(1) 完全更新(写真1)
 クローラトラクタ+ブロキャスによりは種。翌春、発芽を確認後、肥料散布に合わせてクローバを追播し、定着させた。

(2) 追播(写真2)
 フェストロリウムとペレニアルライグラス追播事例。翌年の草地では、追播した草種の伸長が確認された。 

写真1

写真1 クローラの溝に沿って発芽

写真2

写真2 追播草種の伸長状況

まとめ

 今回紹介した内容は、これまでの調査で分かった部分であり、今年も継続して取り組んでいます。今後実践を考えている方は、普及センターまでお問い合わせください。

 (令和元年8月 釧路中西部支所作成)


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