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最終更新日:2019年9月17日(火)

フロストシーディング技術を用いた簡易更新

1 フロストシーディングとは

 フロスト(氷結)とシーディング(種播き)を合わせた言葉のとおり、土壌が凍結する時期での牧草播種を意味します。
 発芽に必要な温度条件に適さない時期に播種し、種子をそのまま地下で越冬させ、翌春に発芽させる手法です。 

2 フロストシーディングの利点

・作業閑散期に余裕を持って行うことができます。
・春播きと比べ、土壌水分が十分あり、干ばつの影響による発芽不良を招くことがありません。
・夏季更新の時期は、2番草収穫等の繁忙期でもあります。フロストシーディングは予定していた更新時期を逸してしまった場合の代替法として行うことができます。この場合夏播きと同様に1番草を収穫することが可能です。


3 フロストシーディングの活用場面 


  ・作業閑散期を活かした「草地更新」。
  ・雑草枯殺後の裸地を修復するための「追播」。
  ・更新時期までの草地延命や増収をねらいとした「追播」。 

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  写真1 増収をねらいとしたフロストシーディング(十勝管内H町)

    

4 実施時期 

 ・実施可能期間は平均気温が6℃以下、かつ7℃以上の日が3日以上連続しない頃から根雪始の時期とされています。
・釧路北部地域では、平年の土壌凍結や積雪の状況を踏まえると、11月15日頃から11月末頃までがフロストシーディング実施可能期間であると考えられます(図1)。

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図1 釧路北部地区の気象状況と実施可能時期

※平均気温はアメダス平均値(弟子屈、標茶)。積雪深、凍結深は川湯、屈斜路、虹別、磯分内、中茶安別の平年値平均(普及センター調べ)。

5 施工時の注意点

・鎮圧作業の際は、ローラーへの土壌粘着を避けるため、早朝など気温の低い時間帯や、土壌表面が1~2cm凍結した条件で作業するとよいでしょう。
・夏季更新時の播種量より2~3割増しでの播種が望ましいでしょう。
  例 チモシー2.3~2.5kg/10a 
・シバムギ等の地下茎型雑草が多く優占している状況下での追播は、一時的な発芽と生育は見られますが、定着は厳しいと考えられます。
・播種する品種はイネ科のみとします。(マメ科は翌春以降の追播)

6 実施事例紹介 

実施事例 (標茶町T牧場)
 播種日 11月20日

【方法と工程】
 前植生枯殺→耕起→アッパーロータリ→ブロキャスは種→ローラー鎮圧1回目→ 翌春ローラー鎮圧2回目

 春先の発芽状況は平均1,360本/平米と、目安となる1,500本/平米に届かず疎らな感じに見えましたが、同年7月には密度十分な草地となりました(写真2)。

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写真2 越冬後の2番草の繁茂状況

7 フロストシーディングの位置づけ

 まだ草地更新の一方法して確立していませんが、更新タイミングを逸した場合や、裸地の補修目的など、継続的に収量確保するための有用な手法と考えられます。

 詳しくは、普及センターまでご相談下さい。

(令和元年9月 釧路農業改良普及センター本所作成) 

この情報は、2019年9月に標茶町・釧路町・弟子屈町の農業者向けに発出したものです。

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