本年の牧草・サイレージ用とうもろこしの生育・収量と今後の課題

本年の牧草・サイレージ用とうもろこしの生育・収量と今後の課題

 

 

  本年の牧草・サイレージ用とうもろこしの生育経過を振返り、今後の課題にふれていきます。

 

 

表1 生育期節・農作業期の遅速日数(釧路中西部支所管内)

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牧草

 4月の好天により萌芽期は平年より4日早まりましたが、5月中旬の低温の影響もあり出穂期はほぼ平年並となりました。
 1番草収穫は天候に恵まれ、平年より2日早い収穫終となりました。
 2番草も順調に生育し、大型法人などでは、8月上旬から収穫が始まり、収穫始は8月7日と平年より大幅に早まりました。しかし、8月中旬以降は降雨が続き、2番草の収穫終は1日遅れとなりました。
 1番草の生収量は平年比103%、乾物収量は109%とやや多収となりました(図1)。
  2番草の生収量は平年比125%、乾物収量は117%と平年を大きく上回りました(図1)。
 2番草の乾物収量が高いのは、8月中旬以降の降雨により収穫が遅れ、面積の6割以上が9以降に収穫されたことが要因と思われます。

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図1 本年度の牧草の収量調査結果

サイレージ用とうもろこし

 は種期は4日早く、出芽期は6日早まりました。生育は順調で、絹糸抽出期は3日早くなりました。しかし、8月中下旬の低温日照不足などにより、登熟が進まず黄熟期は5日遅れとなりました。
 収量は平年に対し、生総重で86%、推定TDN収量は89%となりました(図2)。鶴居村のマルチ栽培では、被覆による生育促進効果により、推定TDN収量は露地に比べて145%と上回りました(図3)。

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図2 本年度のとうもろこし収量調査結果

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図3 露地に対するマルチ栽培の収量比較

草地植生を改善しましょう

 釧路丹頂農協の植生改善プロジェクトによる植生調査結果(4カ年)では、裸地や雑草が66%を占めていました(図4)。

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図4 植生調査結果

 本年の1番草は、収穫作業が平年より早く終わりましたが、乳量反応が今ひとつだという声が聞かれます。これは、 雑草が多いため栄養価や消化率が低下していると考えられます。
 このため、施肥の見直しや排水改善など植生の維持、改善を行いましょう。

サイレージ用とうもろこしの安定生産を図りましょう

排水改善等により早期にほ場を整備して、速やかには種を行いしましょう。
栽植本数は7,500本/10a以下を目標に、倒伏軽減を図りましょう。 

(令和元年10月 釧路中西部支所作成)

この情報は釧路中西部支所が担当地域の農業者に向けて発信したものです。

 

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