草地更新の際は心土破砕(サブソイラ施工)も行いましょう。
心土破砕をすすめる理由
(1) 草地は年々硬くなる。
草地の硬い層は深さ20cm付近と50cmより深い地点にあります。20cm付近は更新時のプラウ耕起で解消されますが、50cmより深い地点の解消にはサブソイラの施工が必要です(図1)。
図1 地表面からの深さと土壌硬度の関係
(釧路東部管内 経年草地 9箇所 平均)
(2)短時間に多く雨が降る回数が増えている。
釧路東部管内でも、短い時間に多くの雨が降る日数が増える傾向にあります(図2)。
草地の透排水性向上の必要性が高まっています。
図2 5~10月の1日降水量3mm以上の日数
心土破砕の効果
普及センターでは、2018年に更新した草地で、サブソイラ施工区と無施工区を設け、その後の生育を観測しています。
その結果、サブソイラを施工した方が深さ50~60cm付近の土壌が軟らかくなることが釧路東部管内でも確認できました(図3)。
図3 サブソイラの有無によるほ場硬度の違い
心土破砕施工上の留意点
(1)ほ場が乾いたときに施工
ほ場が湿気っていると、かえって土を固めたり、練り返してしまい、逆効果になります。ほ場が乾いているときに施工しましょう。
(2)既存の暗渠の深さに注意して
既存の暗渠管を掘り上げないよう、深さに注意しましょう。
(3)暗渠にクロスして施工
ほ場の形状や傾斜が許せば、図5のように暗渠と垂直にクロスするようにサブソイラは施工しましょう(図4)。
そうすると、暗渠への排水効果が高まります。
図4 暗渠の方向とサブソイラの施工方法
牛も足を滑らせやすい時期です。牛の移動作業時の滑走・転倒に注意しましょう。
この情報は、2020年2月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。