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最終更新日:2020年3月12日(木)

痩せすぎ注意! ~分娩時の体型と繁殖成績~

 昨年のJAだより11月号では、過肥分娩において空胎日数は短い傾向だが、周産期疾病の発生率を高める、という調査結果を記載しました。
 今回は、同調査により確認した「牛の痩せ体型と繁殖成績」について紹介します。

BCS調査による判断牧草の萌芽が早く、生育ステージの進行が早まった

 普及センターでは、牛の脂肪の蓄積度合いを評価するBCS(ボディーコンディションスコア)という方法を活用して調査を行ないました。
 BCSは、数字が小さいほど痩せていると評価され、本調査では分娩時に2.5~2.75が痩せ型であると判断しています(写真1)。

BCS2.5

写真1 BCSが2.5の牛

BCSと繁殖成績の関係

 普及センターが調査した結果では、分娩時のBCSが小さい(痩せた)牛ほど空胎日数は長く、大きい(太った)牛ほど短いという結果でした(図1)。
 つまり、分娩時のBCSが小さいほど、繁殖成績が悪化していました。

図1

図1 分娩時のBCS別空胎日数

なぜ「痩せ」はダメなのか?

 牛は飼料の品質低下、飼養環境の悪化、疾病の発生による摂取量の低下や飼料の栄養不足等が原因で痩せていきます。痩せていると、繁殖に充分なエネルギーが回らないため、結果的に繁殖成績が悪化します(表1)。
 また図1を見ると、過肥で分娩させた方が良いと感じますが、過肥分娩は、適正な分娩予後を行なわなければ、急激なBCSの低下による痩せ、さらに周産期疾病を発症するリスクが高まり、繁殖成績が悪化する可能性があります。

表1 妊娠に必要な栄養配分の優先順位

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痩せさせないためには?

 普及センターで行った調査結果から、分娩時には痩せすぎず、太りすぎない3.5が適正であると示唆されます。

BCS3.5

写真2 BCSが3.5の牛

 また痩せさせないためには、

(1)受胎後はBCSを確認しながら、乾乳までに3.5を目指して調整する。
(2)乾乳期から分娩までは、BCSを変動させない。
(3)乾乳期から分娩後は、乾物摂取量の低下および周産期疾病の防止に努める。
(4)乳期に合わせた飼料給与で、BCSの低下を最小限に抑える。

 以上のことが重要になります。
 「痩せさせない」飼養管理は、繁殖成績の改善につながります。牛群内で、痩せている牛が多いなと感じたら、前記4つのことに注意してみてください。
 

 (令和2年2月 釧路農業改良普及センター本所作成)

 この情報は、2020年3月に標茶町・釧路町・弟子屈町の農業者向けに発出したものです。

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