アメリカオニアザミの防除について
もうそろそろ終牧を迎える方、「7~8月はアザミが目立っていたけど、もう枯れたし来年は大丈夫かな」という方いらっしゃいませんか。実は、アザミは二年生の植物です。そのため、もう枯れていると思っていても来年、花をつける個体が潜んでいるかもしれません。
アザミの生態と対策法をまとめました。終牧時には地面を観察し、来年からの対策の参考にしてください。
1 アメリカオニアザミの特徴
アメリカオニアザミは二年生のキク科植物です。まれに3年以上生存するアメリカオニアザミもあります。また、もともと多年生のアザミ(セイヨウトゲアザミなど)もあります。
8月中下旬に開花のピークを迎え、1個体あたり約3,000粒の種子を生産します。出芽した年は地面に平らに張り付き(ロゼット型)、越冬後(2年目)に茎を伸ばして開花し、種を付けて枯死します。侵入初年に気にならなくても、3年目以降に一気に増えるのはこのためです。
写真で見るアメリカオニアザミの一生
1年目
1年目は地面に張り付いています。撮影日:令和元年10月
2年目
越冬後に弱っているように見えても、夏には開花します。撮影日:令和2年4月
2年目は茎を伸ばして開花します。撮影日:令和元年7月
1個体あたり約3,000粒の種子が生産されます。撮影日:令和元年10月
写真はいずれも釧路農業改良普及センター釧路東部支所撮影
2 アメリカオニアザミの防除
アメリカオニアザミは種子で増えますので、掃除刈りで個体数を減らすことが基本です。掃除刈りする際には、遅くとも8月の開花直後に花のついた茎を地際から低刈りすると、種子の生産が抑制され、個体数を減らすことができます。地面に平らに張り付いている個体や伸び始めの個体を刈り取っても再生してしまうので、開花直後に刈り取ることが必要です。
二年生の植物ですので最低でも2年間は掃除刈りが必要です。辛抱強く続けましょう。
農作業事故を防ぐため、余裕をもって作業を行いましょう。
この情報は、2020年10月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。