寒い時期の換気を考えよう。
そろそろ寒さが厳しくなり、朝夕の牛舎の換気作業の判断が難しい時期になります。冬の換気不良は結露よるカビの増殖、アンモニアの滞留で、換気が良すぎると水道管の凍結で悩まされます。舎内環境の悪化は、牛にもストレスとなります。牛にとってより良い換気を牛舎内凍結・結露に留意しながら考えてみましょう。
1 結露はなぜ起こるか
結露は壁や天井の温度が牛舎内の露点温度(湿度が100%になる温度)よりも低いと発生します。
結露を防ぐには、牛舎内の温度と湿度を低下させたり、断熱材により壁や天井の温度が低くならないようにすることが必要です。
2 冬場の換気量施肥
夏場の換気は送風による暑熱対策も兼ねているため、牛舎内の空気が1時間当たり50回程度入れ替わるようにすると良いと言われています。冬場は、牛舎内の温度低下により、水道管の凍結に繋がるため、除湿を目的に1時間当たり5回程度が良いとされています。
3 換気方法
換気方法には、トンネル換気(図1)や自然換気(図2)があります。トンネル換気の場合は、夏場はすべての台数を稼働させているかと思いますが、冬場は、インバータや稼働台数を調節しましょう。自然換気の場合は、窓やオープンイーブから入ってきた空気が牛の放射熱によって暖められオープンリッジから排出される仕組みになっています。冬は窓を閉め切りがちになりますが、舎内が冷えすぎない程度に窓を開けることが換気には重要になります。
図1 トンネル換気
図2 自然換気
4 トンネル換気の場合の換気扇台数計算
換気扇台数は、牛舎容積、換気扇の換気能力(1分あたりの排気量)、1時間あたりの換気回数によって決まります。計算方法は下記の通りです。
1時間当たりの必要な換気量=牛舎容積×換気回数
必要な換気能力=換気扇能力×60(分)
1時間当たりの必要な換気量÷必要な換気能力=換気扇の必要台数
例 牛舎容積 950? 換気能力345? 換気回数5回として、
950×5=4,750
345×60=20,700
4,750÷20,700=0.23=1台
換気台数は切り上げて用意してインバータで調節しましょう。
寒さで普段通り動けなくなってきます。牛の突発的な行動に注意しましょう。
この情報は、2020年11月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。