草地更新時は心土破砕を実施しよう

草地更新を予定されるみなさんへ 草地更新時は心土破砕を実施しよう

 

 

 草地更新時の心土破砕の重要性については、2020年2月と7月の技術情報でも紹介してきましたが、今回は、収量の面から効果を検証しました。今年、草地更新を予定されている方は、ぜひ心土破砕(サブソイラ施工)をご検討ください。

 

 

1  浜中町の経年草地の土の硬さ

 図1は、2020年に心土破砕をして更新した草地の更新前後の土の硬さを計測したものです。機械や牛の踏圧や前回の更新でプラウが届かなかった地点で土が硬くなっていましたが(青線)、サブソイラの施工で、それらの地点も軟らかくなっています(茶線)。1.jpg

 図1 草地更新前後の土壌硬度(浜中町内 12ほ場) 更新前:令和2年5月8日、18日  更新後:令和2年10月15日   JA浜中町、普及センター調べ

 

2 心土破砕の効果

(1) 牧草収量への効果

 心土破砕により”透排水性の改善”、”根の伸長の促進”の効果が考えられます。
2018年に同一ほ場内で心土破砕施工・無施工に分けて更新した草地を2年間追跡しました。
牧草収量は、心土破砕を行った方が2カ年とも多く、その効果を浜中町内でも実証されました(図2)。2.jpg

図2 心土破砕有無別の年間生収量(浜中町内 1ほ場) 普及センター調べ

 

(2)施工費は収量で回収できる。

 表1のとおり、草地更新費用の償却額と栽培・収穫費を合わせた年間の牧草生産費を計算しました(34,921円/10a)。
この額を過去2カ年の平均収量(4,883kg/10a) で割り生草1kg当たりの生産費を算出します(7.2円/kg)。
心土破砕(サブソイラ)の施工費、約880円/10aを生草生産費7.2円/kgで割ると、心土破砕の施工費回収に必要な収量122kg/10aが出てきます。

表1 10a当たり、生草1kg当たりの牧草生産費

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※草地更新費用は、更新にかかる資材・作業費の合算し7年で償却とした。
※栽培・収穫費は、施肥、収穫と自力作業で年2回刈り・ロール収穫に係る資材・作業費の合算(自家労賃含まず)
普及センター調べ


 過去2カ年の心土破砕あり・なしの収量差は、150kg/10aですので、心土破砕の施工費は回収できました(図3)。

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図3 心土破砕の有無別の生草収量 普及センター調べ

 

3 心土破砕のかけ方

  • できるだけ土が乾いている時にかける。
  • ゆっくり(時速3~5km)でかけると破砕効果が高まる。
  • 暗渠とクロスするようにかける。

ルートマット(草地表層の茎・根が緻密に絡まった層)が厚い場合

 プラウを掛けても、茎・根が絡まって土が反転しないことがあります。

 プラウ耕起前に、ロータリーハロやディスクハローを浅く掛けルートマットを破砕しておくと、プラウでの耕起・反転がスムーズにいきます。

この情報は、2021年1月に浜中町の農業者向けに発出したものです。

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