乳牛のモニタリングについて(反芻と糞編)

乳牛のモニタリングについて(反芻・糞編)

 

 

  乳牛は体の状態や行動で健康状態のサインを発しています。意識して観察することで、現在の管理状況の善し悪しを判断できれば、管理方法の早期改善につながります。まだ寒さの続く時期ですが、給餌後に牛舎内の牛のチェックをしてみませんか。
 

 

 

1 モニタリングの観察項目

 モニタリングには、毛づやの良さや、きちんと反芻できているか、腹の張りは良いかなど様々な観察項目があります(図1)。今回は、反芻と糞の状態から確認できることについて考えてみましょう。

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図1 乳牛モニタリング項目の例

 

2 反芻のモニタリング

 反芻からは、粗飼料の採食状況を判断することができます。反芻を観察することで、十分なエサを摂取しているのか、牛にとって快適な環境なのかを知ることができます。
  牛群を観察する場合には、給餌・採食後1時間に6割以上の牛が反芻していれば良好な状態と判断できます。個体の場合には、1回の反芻で50~60回咀嚼しているかをチェックします。
反芻回数が少ない場合、まずは牛が健康でエサを問題なく食べられる状態なのか確認し、(1)十分な量の繊維が給与されているか、(2)牛がリラックスできる環境となっているかについても考えてみましょう。

3 糞のモニタリング

 糞のモニタリングでは、健康な泌乳牛でよくみられるスコア3を基準に糞の状態をモニタリングします(表1)。
 糞の状態は、給与内容や採食状況など牛が食べたものが消化されるまでの過程によって変化します。普段と糞の状態に違いが見られた場合には、糞の状態だけではなく、糞が作られるまでの過程に問題点はないかを表1で確認してみましょう。

表1 糞スコアと特徴

 

キャプション
適正  区分  糞の状態   考えられること
   スコア1  液体状の糞で、排泄後の形状は認められない  感染症の疑い、飼料中のタンパクやデンプンの過多が考えられる。
   スコア2  軟らかく、円盤状にはならない。床に落ちたときに一面に飛び跳ねる。  餌の繊維分が少ないこと、分解性蛋白質が多い可能性がある。
 搾乳牛の適正  スコア3  中央が少しへこんだ円盤状となり、落ちたときに「ぺたん」という音がする。  搾乳牛にとって理想的な状態、エネルギー要求量が適正。
 乾乳牛と育成牛の適正  スコア4  長靴にはくっつかないくらい乾いている。  乾草主体の乾乳牛や育成牛に多い。
   スコア5  硬い糞でボール状となる。  乾乳牛や育成牛で認められる。乾草だけを与えているか、極度の脱水が考えられる。

2013年Dairy Japan臨時増刊号「牛は訴えている~カウコンフォートの重要性~」より引用

 

滑りやすい時期です。作業中の転倒に注意しましょう

この情報は、2021年2月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。

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