初乳の重要性、再確認!
初乳がなぜ重要か?
子牛は抗体を持たないで生まれてきます。そのため、初乳によって抗体を得るまで病原菌に対して無防備です。したがって、子牛の抗体獲得とエネルギー補給のために初乳を飲ませることは重要になります。
図1 分娩後の搾乳回数と乳中抗体含量の関係
初乳の品質チェック
乳中の抗体は、分娩後1回目の乳(初乳)に最も多く含まれます(図1)。出生後、飲ませる乳は搾乳1回目のものを与えましょう。
乳中の抗体量は、糖度(Brix値)を測定することで予測できます(写真1)。目安となるBrix値は22以上あることが望まし
いです。
写真1 デジタル糖度計(左) 屈折糖度計(右)
図2 分娩から初乳給与時間と子牛の血中に移行する抗体量の関係
どのくらい飲ませるか?
ホルスタインの場合、9割の出生牛が1度に3ℓ以上の初乳を飲むことができます(図3)。
体内に十分な量の抗体を吸収させるためには3ℓ※以上の初乳が必要になります。したがって、初乳は3ℓ以上飲みたいだけ飲ませることを目標にしましょう。
※初乳中のIgGが40mg/mlの場合
図3 初乳飽食時の摂取量分布
まとめ
・初乳は抗体の多い物を与えましょう。
・飲ませるタイミングは、子牛の吸引欲が出てから出生後6時間以内に飲ませましょう。
・十分に抗体移行させるため、3ℓ以上飲ませましょう。
もう少しで春になります。早めの機械背整備・点検を行い、効率的で安全に作業しましょう。
この情報は、2021年3月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。