草丈10cm程度でほ場が乾いたら放牧を始めましょう

草丈10cm程度でほ場が乾いたら放牧を始めましょう

 

 

 牧草は短い草丈で採食させることで、「牛」「草」ともにメリットが発揮できます。

 

 

1 放牧草を短草で利用するメリット 

(1) 牛へのメリット~放牧草の採食量・栄養摂取量を高められる。

 放牧草は丈が短いうちから採食させることで、採食量が高まり、より多くの栄養を摂取できます(図1)。

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図1 放牧草の草丈と採食量 【引用】「集約放牧マニュアル」(1995)(社)北海道農業改良普及協会

(2) 草へのメリット~牧草密度の維持・向上が図れる。


 草丈が短い状態を維持できると、地際近くまで日光が届き、牧草の再生・分げつが促され、牧草密度の維持・雑草の侵入抑制につながります。

2 放牧草を短草で利用するためには

(1) 草丈が短いうちから放牧を始めよう


  春の牧草の生長は、スプリングフラッシュといわれ、夏以降の1.3~1.5倍と旺盛です(図2)。

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図2 放牧草の季節別の再生量【出所】北海道指導参考事項(1988)根釧農試
  

 放牧開始が遅れると、牧草の生長に牛の採食が追いつかず、食べ残しの放牧草が繁茂します(不食過繁地)(写真1)。

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 写真1 不食過繁地【撮影日】2019年6月13日

 草丈10cm程度でほ場が乾いたら放牧を始めましょう(写真2)。

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写真2 放牧開始のベストタイミング

(2) 馴致放牧で採食量アップ

 主たる栄養は牛舎内で摂取しつつも、牛を<1>外気温、<2>歩き回ること、<3>生草を食べることに慣れさせる(馴致)ための短時間放牧を実施することで、本格的な放牧に移行したときに、放牧草の採食量の向上につながります(図3)。

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図3 馴致放牧の有無と乳量の関係【出所】「集約放牧導入マニュアル」(2008)(独法)農業・食品産業技術総合研究機構


 放牧に馴致させるために、草丈10cm程度でほ場が乾いたら放牧を始めましょう。

(3)施肥の工夫


 春の牧草の生育はスプリングフラッシュに任せ、それ以降に施肥し、牧草の生育の季節差を小さくする方法があります(表1)。春の放牧草が余り気味の方は参考にしてください。

表1 牧草生育の季節差を軽減するための施肥方法

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                                         【参考】北海道施肥ガイド2020を元に作成

 

農作業安全確認運動が実施中です(3月1日~5月31日) 

この情報は、2021年5月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。

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