サイレージ発酵品質を考えよう~後編~

サイレージ発酵品質を考えよう~後編~

サイレージ発酵品質を高めるためには、調製時の踏圧が重要です。詰め込み・踏圧作業のポイントを確認し、発酵品質(嗜好性)の良いサイレージ作りを心がけましょう。

  詰め込み・踏圧作業のポイント  

 

 (1)U字型に詰め込む

バンカーサイロでは、壁際に草を押し当て、U字型に詰め込むと、端までしっかりと踏圧することができます(図1上)。

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図1 バンカーサイロの積み込み方

(2)薄く広げる(30cm以内)

全体に踏圧できるように、原料草草はできるだけ薄く広げ、ミルフィーユ状に重ねましょう(図1下)。

(3)踏圧時間の確保

踏圧時間は、積載容量10m³程度のダンプ1台につき4分程度が理想とされています。草の上にショベルのタイヤ跡がつくと、しっかりと踏圧できている目安になります(写真1)。

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写真1 原料草にタイヤの跡が残る

 

(4)壁より高く積まない

バンカーの壁よりも高く積んだ部分は、端まで踏圧することができず、品質悪化につながります(写真2)。草が余るときには、余剰分をスタックサイロにできると理想的です。

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写真2 詰め込む高さ

 

 

 

作業機による接地圧の違い

 

牧草収穫は天気の影響が大きいですが、人の手によって、よりよい発酵品質を目指せるポイントがたくさんあります。少しの手間で、その後1年間のサイレージ発酵品質が少しでも良質になるよう、意識してみてはいかがでしょうか。

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図2 作業機による設置圧の違い(2016 宗谷農改 北部支所)

標茶町内で乾物密度調査

乾物密度は、牧草水分と踏圧度合いに左右され、発酵品質と比例しています。普及センターが令和2年に行った調査では、調査した6戸の牧場全てが目標値に満たない結果でした(図3)。

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図3 乾物密度調査結果

踏圧作業のポイントを意識し、踏圧の強化を心がけましょう。普及センターは、今後もサイレージ発酵品質の向上に向けて取り組んでいきます。良質サイレージで健康な牛、安定した経営を目指しましょう。

(令和3年5月作成)

この情報は、2021年6月に本所が地域(標茶町・弟子屈町)の農業者向けに発出したものです。

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