寒さ対策ですくすく育てよう。
哺育牛が寒さを感じる温度は
哺育牛は13℃以下から寒さを感じて、9℃以下になると体温の維持のためエネルギーをより多く使うことになります。
11月の浜中町の平均気温は3.9℃ですので、牛にとっても寒い時期になります(表2)。
また、体感温度は気温のみならず風や湿度も影響します。
冬場は窓の閉め切りによりアンモニアが滞留しやすいです。換気扇を稼働させることも重要です。換気を行いながらできる寒さ対策を行いましょう。
適温域 | 下臨界温度 | |
---|---|---|
出生時 | 13~25℃ | 9℃ |
1ケ月齢 | 4~20℃ | 0℃ |
泌乳期 | 0~20℃ | -24℃ |
乾乳期 | 0~20℃ | -14℃ |
平均気温 | 日最高気温 | 日最低気温 | |
---|---|---|---|
10月 | 10.4℃ | 15.3℃ | 4.8℃ |
11月 | 3.9℃ | 9℃ | ‐1.8℃ |
12月 | -2.6℃ | 2.2℃ | -8.1℃ |
哺育牛を寒さから守るためにできること
1 ネックウォーマー&カーフジャケット
哺育牛もカーフジャケット等を着用することで、体からの熱放出を防ぎ体力の消耗が少なくなります。ネックウォーマーは、市販されている人間用でも
対応可能です(写真1)。
2 すきま風を防ぐ
気温はそこまで低くないけど、風が吹くと寒く感じると思います。
哺育牛も同じで、風は体感気温をぐっと下げます。また、建物の中では、暖かい空気がどんどん上に逃げてしまいます。換気もすごく大切ですが、哺育牛に直接、冷風が当たらないようにペンで囲ったり、ペンに屋根(シートやコンパネ)を設置し暖かい空気を留まらせたり、すきまを塞ぐことで寒さ対策を行いましょう(写真2)。
3 敷料をたっぷり敷く
冷たいコンクリートや凍結した土は、哺育牛のお腹を冷やし体温を下げる原因となります。敷料をたっぷり敷き、底冷えを防止しましょう。また、糞尿で敷料が濡れると哺育牛濡れて逆効果になりますので、スノコの活用や敷料を交換して乾燥させましょう(写真3)。
4 代用乳の増給
酪農試験場の研究では、代用乳給与量を生時体重の1.5%(対照群)から2.2%(代用乳増給群)に増給した結果、体重の増加量が高まったとの報告があります。また、保温対策を行うことで、体重の増量が高まることも示されています(表3)。寒い時期に合わせた栄養の充足を検討しましょう。
寒さで人の動きも鈍ります。突発的な事故に注意しましょう
この情報は、令和3年11月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。