~初乳・移行乳を上手に利用してミルク代の削減を~
昨年より粉ミルクの値段が上昇しており、エサ代の中でも占める割合が大きくなってきています。そこで初乳や移行乳(出荷制限乳。以下移行乳)を上手に利用してミルク代を節約している事例を紹介します。
<パスチャライザーの利用について>
ミルクタクシー(移動可能でパスチャライザー機能が付いています)やパスチャライザーを利用し、初乳や移行乳を加熱・殺菌しましょう。パスチャライザーは無菌にする機械ではないので、乳房炎乳は使用しないようにしましょう。
加熱・殺菌には90分程度かかります。殺菌後はすぐに飲ませるか、冷凍保存する農場もあります。
ミルクタクシー パスチャライザー 冷凍保存乳
※機械の使用後は洗浄・殺菌を行い(基本的にはバケットミルカーの洗浄・殺菌と同様です)、衛生的に利用しましょう。
<ほ乳ロボットの生乳利用について>
一部のほ乳ロボットでは移行乳と粉ミルクを併用して利用する事ができます(移行乳と生乳の割合は設定する事ができます)。ほ乳ロボットのそばに移行乳専用のバルクタンクを設置し、冷却保存しています(バケットミルカーで搾乳してバルクタンクに投入しています)。
この農場ではF1の子牛には100%移行乳を利用しています。増体が良くなり、販売価格が増加したとの事です。
バルクタンク 哺乳ロボット
※初期投資額は大きいですが、現在のミルクの値段、利用袋数、機械の償却年数等で計算してみてどちらの方が経費がかかるのか、試算してみてはどうでしょうか?
(この情報は2024年4月に鶴居村、白糠町、釧路市の農業者向けに発出した技術情報です)