釧路北部地域では、草地の多くをイネ科牧草のチモシーが占めるため、粗飼料を十分に確保するためには、チモシーの収穫量が非常に重要となります。
1.早春時のチモシーについて
チモシーは平均気温が5℃になると、萌芽を開始します。萌芽期の草地では、遠目から見ると枯れているように見えますが、近くで見ると新しい茎葉が出ているのが分かります(写真1)。
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写真1 萌芽したチモシー
1番草の乾物収量の多くは有穂茎が占めるため、有穂茎の数が非常に重要となります。萌芽期は有穂茎の伸長が決まる重要な時期であり、この時期の栄養状態が1番草の収量を大きく左右します。
2.糞尿散布の時期はいつ?
春にスラリーを散布する場合、できるだけ早い時期に行う必要があります。施肥効果を高める狙いもありますが、散布が遅くなると、草丈が長くなり、牧草に付着が多くなります(写真2)。牧草に付着したまま収穫を行うと、サイレージの発酵品質低下を引き起こすだけでなく、糞尿が牛の口に入る可能性があります。そのため、目安として、5月上旬までに散布を終えるよう計画的に作業を進めましょう。
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写真2 牧草に付着したスラリー
3.施肥の時期はいつ?
施肥時期の目安はチモシーの萌芽期です。過去5年間の萌芽期を表1に示します。融雪後、ほ場が乾いたら速やかに施肥をしましょう。
表1 釧路北部地区の萌芽期

草地にタイヤの跡が残る草丈での施肥は適正施肥の時期を過ぎていると判断できます。GPS/GNSSガイダンスは、萌芽直後で走行の跡が確認しづらい時期でも正確な走行が可能となり、施肥の重複も抑えることができます。比較的安価なガイダンスシステムもあります(写真3)。
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写真3 ガイダンスシステム
4.施肥量は?
チモシー採草地の施肥標準量を表2に示します。土壌診断結果に基づいて過不足を調整し、年間の施肥量を決定します。2回刈りの場合、年間施肥量を早春:1番草収穫後=2:1に分けて施用します。
詳細は普及センターまでご相談ください。
表2 道東におけるチモシー採草地の維持管理時の施肥標準量(北海道施肥ガイド2020)

この情報は令和8(2026)年4月に釧路本所地域(弟子屈町・標茶町・釧路町)の農業者向けに発出した技術情報です。

