路網の規格・構造ページ

 

 

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森林・林業再生プラン実践事業

実践事業で整備した路網の規格・構造

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 実践事業で整備した作業道の規格(鶴居村森林組合スタンダード設計基準)です。

 

車道幅員

 3.0m

路肩幅員

 0.3~0.5m

縦断勾配

 14%以下(1区間100m以内に限り16%)

曲線半径

 12m以上 

横断勾配

 5~10% 


 実践事業では次のコンセプトを持って整備されました。

 ・ トラクターを中心とした作業システムの作業性を考慮し、伐倒した材をウインチで引き上げる集材(上げ荷集材)になるような路網配置を基本とする。

 ・ ウインチで牽引可能な距離を考慮し、120~150m間隔に路網を配置する。

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 ・ 導入する機械の大きさと作業時の配置を留意した道路構造とする。

 

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 ・ 路網を低コストで整備し、かつ耐久性の高い構造とするため、降雨水等を路体から速やかに分散・排水させる「屋根型構造」を採用しました。

 屋根型構造の特徴は、

   ・ 道路横断勾配を10%とすることで、路面上の水を横方向に速やかに分散させる。

   ・ 切土側に側溝を設置し、路面水を受けるとともに、山側から流入してくる水が路体に進入する
     ことを防ぐ。

   ・ できる限り短い間隔で横断排水を設置することで、水の集中を防ぎ、かつ勢いを弱めて路体へ
     排水させる。

 などがあげられます。

 従来整備してきた林道は、道路進行方向に対する勾配(縦断勾配)にかかわらず横方向の勾配(横断勾配)は2~3%であったため、縦断勾配が急な区間は降雨水など路面表面水が路面上を流れ、路体に水が浸透しやすい状態になっていました。

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 これに対し、屋根型構造は最大10%の横断勾配にしているので、路面表面上の降雨水などは左右に分散し、山側の水は側溝を経由し一定間隔に設置された横断管より路外へ排出、谷側の水は自然分散で路外へ排出されるので、路体・路盤をできるかぎり乾燥状態に保つことが可能となり、また横断排水の間隔に留意することで水を集めず分散させることが屋根型構造の特徴です。

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 実践事業においての重要なポイントは、この「屋根型構造」により丈夫で耐久性の高い構造の路網を整備した点にあります。

 また、「欧州型」という言葉がついていますが、必ずしもドイツ・オーストリアのフォレスターが提案したスタイルをそのままに施工したのではありません。

 北海道、鶴居村が従来から行っていた路網整備の考え方もフォレスターに説明し、たとえば横断排水は排水管を埋める「暗渠排水」が基本で、路面表面を横断させる「明渠排水」はフォレスターからは否定的な意見をされましたが、北海道側が提案した内容と理由をしっかりと説明することで理解を得ることができ、実際に実践事業で施工した、という事例もあります。

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横断排水を明渠排水溝(洗越工)で施工した事例

 
 ドイツ・オーストリアフォレスターの提案と北海道・鶴居村の意見が融合し、お互いが認め合うことにより導入した作業システムの根幹となる路網が整備されました。

 この「鶴居村スタンダード設計基準」で作設された路網は、完成後にフォレスターから高い評価をいただいています。

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