将来の木施業について
将来の木施業とは…
鶴居村森林組合は、森林・林業再生プラン実践事業において、森づくりの基本理念として「将来の木施業」に取り組みました。
将来の木施業とは
ドイツなどで一般的に行われている森づくりの手法です。
・ 個体の成育を重視し、一定のエリアの中で最も良好な成長が期待できる木を「将来の木」と決め、樹種毎に定められた目標直径に到達させることをめざす、森林づくりの手法です。
・ 実践事業ではカラマツの目標直径を70cmに設定し、1haあたり100本を目安に将来の木を選定しマーキングしました。
・ 施業は「将来の木」の成長の競争相手になる木から間伐し、将来の木の樹冠を確保し成長を促進させます。したがって、間伐は将来の木付近に立っている、将来の木に次いで成長が良好な木が主な対象となります。
将来の木に根や樹冠が成長する十分なスペースを与えます。
・ 将来の木の成長に対し競争力のない木は間伐対象木とせず、伐倒・搬出の支障となる時以外は伐りません。
・ 将来の木を選ぶポイントは
1.バイタリティ…生命力。樹幹の大きさ、幹の太さがひとつの基準となる。
2.クオリティ…質。通直性、節が無い、病虫害被害の有無が基準。
3.分布…配置間隔。将来の木同士の間隔。
将来の木施業の特徴
将来の木施業により森林づくりを進めることで、次の効果が期待できます。
・ 将来の木を集中的に成長させるので、質の良い大径材の効率的な生産が可能となる。
・ 将来の木に次ぐ「準優勢木」を間伐するので、間伐毎に一定の収入が期待できる。
・ 「皆伐」が発生しないので、無立木状態になることが無く、森林が持つ水土保全や炭素固定などの多面的・公益的機能が高度に発揮されます。
・ 間伐後の空いたスペースを使って更新することで、多様な齢級で構成される森林づくりとなり、将来的に多様な需要に対して柔軟に供給できる森林づくりが可能となる。
・ 「将来の木」を母樹として天然更新が進むことが望ましいが、必要に応じて植え付けによる更新を行う。
・ 「将来の木」は根、樹冠スペースが広く個体安定性が高いので、個体で安定する将来の木と、集団で安定するその他の木が組み合わされることにより、林分全体の構造として安定した森林となる。