レジオネラ症について
レジオネラ症とは、レジオネラ属菌が原因でおこる感染症で、 1 急に重症になって死亡する場合もあるレジオネラ肺炎 2 数日で治癒する場合が多いポンティアック熱 3 症状がでない不顕性感染 に分けられます。 |
レジオネラ肺炎は、乳幼児や高齢者、病人など抵抗力が低下している人や、健康でも疲労などで体力が落ちている人が発病しやすいといわれています。いずれも人から人への感染はありません。 |
レジオネラ肺炎 | ポンティアック熱 |
1週間前後の潜伏期間の後に、高熱、筋肉痛、呼吸困難などが現れ、症状は日を追って重くなっていきます。腹痛、下痢、意識障害、歩行障害を伴う場合もあります。 | 短い潜伏期間の後に、発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛などのインフルエンザ様症状を示します。 |
生息場所 | レジオネラ属菌は土壌や淡水など、自然環境に広く生息していますが、菌数は少ないと考えられています。 自然環境とは対照的に20℃ 以上の水が停滞または循環する人工環境水では、レジオネラ属菌が高率に検出されています。 |
レジオネラ属菌の発育 | レジオネラ属菌は、通常25℃~43℃で発育し、人間の体温に近い36℃前後でよく増殖します。70℃以上の高温では短時間で殺菌されます。 |
水が停滞する場所では生物膜ができ、微生物の温床となっています。 レジオネラ属菌は、アメーバーなどの原生動物に取り込まれて、それの中で増殖します。やがて原生動物の細胞を破壊して外に出てきます。 |
|
生物膜(バイオフィルム)とは 壁面に付着した微生物(細菌、真菌、原生動物など)が増殖するとともに、粘液性物質を体外に産出し、これらが混在、結合して形成されたもの。「ぬめり」ができているところが生物膜です |
レジオネラ属菌が生息する土壌の砂塵や、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(直径1~5μmの水の微粒子)が感染源となります。汚染されたエアロゾルの吸入や汚染水の吸引が主な感染経路です。 | |
汚染されたエアロゾルの発生例
|
![]() |
施設・器具の徹底した衛生管理を実行することで防止できます。循環式浴槽、エアロゾルを発生する設備(ジェット式浴槽、気泡風呂、打たせ湯など)、非加熱式加湿器、冷却塔などは、その管理に厳重な注意が必要になります。 |