移住者インタビュー 弟子屈町

 

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25歳、元アナウンサー。弟子屈町での挑戦

川上 椋輔さん

(宮城県出身/弟子屈町在住/Iターン)

2020年10月「元北海道文化放送のアナウンサーが弟子屈町に来たらしい」という噂がくしろ地域に飛び交いました。噂通り、北海道文化放送を退職し弟子屈町の地域おこし協力隊として赴任した川上椋輔さん。中学生の頃からの夢だったというアナウンサーを退職し、どのような思いで弟子屈町に足を踏み入れたのでしょうか。そこには「発信」と「実践」の間で揺らぐ、25歳の覚悟が垣間見えていました。

<この記事のポイント>
  • ・民放アナウンサーから地域おこし協力隊に
  • ・「発信する立場」から、「発信と実践をする立場」へ
  • ・弟子屈町には「事業」がたくさん!
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ー弟子屈町に移住した経緯を教えてください。

僕は宮城県出身で、15歳のときに被災したことをきっかけに報道に興味を持ち、「アナウンサーになりたい」と思うようになりました。アナウンサーって、自分で取材した内容を自分の言葉で視聴者に伝えられる職業だと思ったんです。なおかつ、日本の課題先進地である北海道を、様々な視点から取材できると思い、北海道文化放送に入社しました。
入社から2年半、胆振東部地震での被災地リポートなど、アナウンサーとしての仕事を取り組んでいった中で気づいたことがありまして。「自分は現場の俯瞰者でしかない」、そんな風に思ったんです。北海道で活動している人々がたくさんいる中で、自分はそれを側から見て、「こういうことが起きています」と伝えるだけの日々。自分にとっては発信をするだけじゃ物足りなくて、現場で手を動かす実践者こそ、自分が目指していた姿に近いのではないかと思いました。
そこで北海道文化放送を退社し、実践を積むことができる別の地域で働こうと思っていたのですが、津別町にある道東テレビの立川さんと出会い、「僕がやりたいことはこれだ!」とビビッと来ました。「発信」と「実践」の二つの軸を持ちながら、地域で活動する。これを実現している道東テレビの皆さんに刺激を受け、道東テレビとも関わりがある弟子屈町の地域おこし協力隊に応募したんです。

ー弟子屈町への移住に関する情報はどうやって収集しましたか?

実は僕、移住を決めてから実際に移住するまでの期間がものすごく短くて……(笑)。
実際に住んでから、いろんな人に助けてもらいつつ情報を集めました。
でも、いま弟子屈町への移住を検討されている方の多くは、事前に弟子屈町を訪ねてくれています。地元の人と飲んだりお店に行って仲良くなることで、地域に入り込みやすくなると思います。

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弟子屈町・徳永町長(左)から直々に辞令を受け取る川上さん

ー現在のお仕事内容を教えてください。

僕は、弟子屈町で「シティプロモーション活動支援員」として働いています。弟子屈町の情報を内外の人に発信する仕事ですね。
弟子屈町がYouTube上で展開している「弟子屈町公式チャンネル」があるのですが、僕はその中で「弟子屈町公式ニュース」などのコーナーを企画・運営しています。「弟子屈町公式チャンネル」では、何度か生配信も行いました。弟子屈町・徳永町長との対談配信から、弟子屈町の商品券を買った人だけが参加できる抽選会の中継まで(笑)。
最近ですと、地元の人もよく知らない弟子屈町のことを一緒に学んでいけるような「弟子屈学」というコーナーも始めました。弟子屈高校の探究学習では、弟子屈町や道東のことを学んでいるのですが、ゆくゆくはその授業の取り組みと「弟子屈学」をもとに、弟子屈高校の生徒とコラボレーションできたらと思っています。

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アナウンサーとしての出演だけでなく、撮影や編集も一人でこなす

ー地域おこし協力隊としての仕事はいかがですか?

とても楽しく活動しています。前職よりも仕事量は増えているのですが、かと言って急かされているようなことはないんですよ。もちろん都市圏での生活も充実していたのですが、どこか急かされるような、そんな雰囲気を感じていました。
弟子屈町に来てからの生活や仕事には、豊かさを感じています。自然が近くにあるからなのか、人が少ないからなのか……。地域おこし協力隊としてやらなければいけない仕事はありつつも、この町でできることややりたいことを考えていたら、「楽しみ」という気持ちの方が強くて。そのワクワクに突き動かされるように活動しているので、いまは「楽しい」という気持ちが強いんです。

ー弟子屈町に来る前に、心配だったことを教えてください。

冬の寒さだけが心配でした。地元の宮城や2年半住んでいた札幌に比べて、弟子屈町はどれくらい寒いんだろう?って。でもいざ住んでみたら、思っていたほど寒くなくてホッとしています。

ー現在のお住まいはどちらですか?

地元の不動産屋さんに紹介していただいた大きな一軒家に住んでいます。
部屋がたくさん余っているので、これからシェアハウスにしようともくろんでいます。
ただ、水抜きの仕方がわからなくて、実は3ヶ月ほど水道なしの生活を送っていまして……(笑)。
ですが、弟子屈町・川湯に住んでいると、毎日温泉に入れるんですよ!だから、僕は朝起きたらまず温泉に浸かりにいって、身嗜みを整え、そのまま出勤しています。いつでも泉質のいい温泉に行けるので、そんなに困っていません。意外と水道なしでも生活できることがわかりました!(笑)

ーこれから弟子屈町への移住を検討している方に、一言お願いします!

僕、よく移住相談にのるとき、「弟子屈町には仕事はないかもしれないけれど、事業はあります」って言うんですよ。お給料がいくらでこういう内容の作業でこんなオフィスで……という「仕事」はないかもしれないけれど、「事業」ならたくさんあるんですよ。
僕もいろいろな事業に参加していまして、テントサウナの運営事業なんかは、自然環境が豊かな弟子屈町ならではだと思います。テントサウナ後に真冬の屈斜路湖に飛び込む気持ちよさを多くの人に体験してもらうために、地元の人と協働して進めているんです。それから「これをやっちゃダメ!」「絶対これをやって!」という制約も少ない町だと思います。
なので、明確に「こういうことがやりたいんだ!」という人にとっても来やすい地域だと思いますし、逆に「まだやりたいことがわかっていないけれど、こんな環境で暮らしたいなあ」と思っている人も大歓迎です!

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