牧草維持について

購入飼料の価格が高騰しており、良質な自給飼料の生産がより重要となっています。良質な自給飼料の生産に欠かせないのが、雑草を増やさず牧草の割合を維持することです。今回はその方法を紹介します。

草地更新時にグリホサート除草剤散布

地下茎型イネ科雑草は草地更新時が退治するタイミングです。しっかりと枯殺しておきましょう。グリホサート系除草剤を2回散布がおすすめです。1回目は除草剤が葉にしっかりかかるよう、草丈が20cm~30cmの間に散布するようにしましょう(写真1)。2回目は耕起後に雑草を伸ばして播種と同日に散布する方法などがあります(図1)。

図1_草地更新時の除草剤散布スケジュール例

図1_草地更新時の除草剤散布スケジュール例

写真1_散布時期の目安

写真1_散布時期の目安

新播~3年目までの草地にシカ防護柵を設置する

シカは牧草の生長点まで根こそぎ食べるため、その後の生育も悪化します。シカ防護柵を設置し、食害を防ぎましょう。

難防除雑草ギシギシの対策

ギシギシは早い段階で除草することで牧草割合の維持につながります。ギシギシの株が小さい若い草地(3年目まで)を対象に、登録内容に従ってアージランまたはハーモニーを散布しましょう(表1)。

表1_ギシギシ除草剤について

表1_ギシギシ除草剤について

適期に施肥を行う

牧草の収量は施肥のタイミングに左右されます。早春の牧草が生育を再開し芽吹き出す時期を「萌芽期」と呼びます。この時期に施肥することで牧草の生育が旺盛になり、収量が増加します。1番草収穫後の施肥は、刈り取られてから7〜10日後に施肥を行うと、効率良く2番草の再生長を促すことができます。

草地を維持するため石灰を散布

適正なpH5.5〜6.5を維持することによって肥料効率が高まり、牧草の養分吸収力が向上して維持させることができます。土壌分析を定期的(数年ごと)に行なってpHを確認し、適正な値になるように石灰資材を散布しましょう。

最後に

良質な自給飼料の生産はエサ代の節約だけではなく、牛の健康状態など様々な面においてメリットをもたらします。是非取り組んでみませんか?

(この情報は2022年7月に地域(釧路市、白糠町および鶴居村)の農業者向けに発信した技術情報です)

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