早春施肥で収量確保

早春施肥で収量確保

もうすぐ春がやってきます。毎年恒例の作業ですが、安定して収量を確保するため、春施肥の散布タイミングについて再確認したいと思います。

1. 春施肥の重要性

4月から6月の1番草収穫までが最も牧草が生育する時期です。この時期の生育を支えるためには、早春(萌芽期)に施肥することが大切です。
萌芽期に施肥を行い、窒素を十分に吸収させることでイネ科牧草の茎が有穂茎となる割合が増え、1番草収量の確保につながります。

2. いつ撒けばいい?

経年草地では一見枯草ばかりに見えても、枯草の下でしっかり萌芽しています(写真1)。浜中町、厚岸町の萌芽期は4月20日前後ですので、これを目安に施肥を行ってください(表1)。

チモシー萌芽

写真1 チモシーの萌芽(令和2年4月18日撮影 厚岸町太田)

表1浜中町・厚岸町の萌芽期

(普及センター東部支所調べ)

施肥時期が遅れると牧草の有穂茎は増加しないため、収量が低下することが報告されています(図1)。また、釧路東部管内で行った施肥早限の検証結果では、土壌凍結が抜けた後であれば、萌芽期前に施肥を行っても収量に大きな影響はないことが確認出来ています(図2)。
萌芽期に施肥することが望ましいですが、春先に作業が集中し、施肥が遅れそうな場合には萌芽期前の施肥も検討してみませんか?

図1施肥時期と乾物収量

図1 早春の窒素施肥時期と1番総収量、雄穂茎、全茎数

図2 施肥時期と収量

図2 施肥早限確認実証結果

3. 草地・作業機械の再確認

草地に入れるようになったらスムーズに作業を進められるように今からトラクタ、作業機械の点検整備を実施しましょう。
また雪解け後の草地にゴミや鹿の角等が落ちている場合があります。トラクタや作業機械を壊してしまう原因にもなります。春に草地の見回りを行い、異常がないか確認しましょう。

この情報は、2023年4月に厚岸郡(浜中町・厚岸町)の農業者向けに発出したものです。

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〒088-1365厚岸郡浜中町茶内橋北東31番地

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