除草剤を上手に使って草地更新

1 釧路東部地域の植生

釧路東部地域の草地雑草は、シバムギやリードカナリーグラスなどの地下茎型イネ科雑草が大半を占めています(図1)。地下茎型イネ科雑草は埋没種子からの発生に加え、地下茎からも再生するため、更新時の耕起だけでは防除する事が出来ません。そのため、除草剤の使用が効果的です。

R5年植生調査結果(厚岸町、普及センター調べ)

図1 R5年植生調査結果(厚岸町、普及センター調べ)

2 除草剤できれいに更新

草地植生の悪化は収量だけでなくサイレージの嗜好性や栄養価が低下する原因となり、牛の健康に影響します。更新後の植生を良好に保つためには、グリホサート系除草剤を用いた前植生処理と、は種床造成後処理の2回散布が効果的です(写真1、図2)。
グリホサート系除草剤は植物の茎葉部分から吸収されて効果を発揮します。そのため、雑草の草丈を十分確保するために、牧草収穫後は30日以上開けてから除草剤を散布しましょう(シバムギ 40~50cm、リードカナリーグラス 60cm以下)。
また、散布後は植物体が除草剤を吸収するのを待つため、10日以上開けてから、は種床整備を行いましょう(図3)。

地下茎から再生したシバムギ

写真1 地下茎から再生したシバムギ

除草剤処理と雑草割合の関係

図2 除草剤処理と雑草割合の関係(普及センター調べ)

除草剤散布スケジュールの例

図3 除草剤散布スケジュールの例

3 草地更新の目安は?

草地は利用年数の経過に伴い、土壌の酸性化や硬化がおこります。その結果、主要牧草割合の低下や、裸地・雑草割合の増加により、徐々に草地の生産力が低下していきます。
釧路東部地域に多く見られる火山性土壌の草地更新の目安は、不良植生割合と裸地の合計が30%以上の草地が更新対象となります。定期的な草地更新で生産性を回復させましょう。

この情報は、2023年12月に厚岸郡(浜中町・厚岸町)の農業者向けに発出したものです。

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