おさらい!MUN
旬報や乳検に記載されている“おなじみ”のMUNですが。今回は、その活用方法などについて再確認したいと思います。
1 乳牛のMUNとは?
MUN(Milk Urea Nitrogen)は、乳中に排出される尿素窒素の量です。
2 MUNの適正値は?
バルク乳のMUN適正範囲は、10~14mg/dℓです。
MUNの推移や、乳中のタンパク質と合わせて「採食量の変化」や「給与飼料のタンパク質と炭水化物のバランス」を判断することができます(表1)。
乳牛が飼料を飽食することは、乳牛飼養管理において重要です。また飼料中タンパク質・炭水化物のバランスは、生乳生産性や経済性に影響します。
(表1)MUNの基準(バルク乳)
3 MUNの変化へ対応するには?
(1)換気不足でMUNが上昇した事例
いつもはMUNが11くらいの牧場で、急にMUNが13になりました。(適正範囲なのですが)牧場主の方とはなすと「換気扇を止めた」とのこと。換気扇を動かすとMUNはいつもの値に戻りました。
(2)飼料設計によるMUNの調整
粗飼料の成分が変化した際(バンカーサイロの開封など)にMUNが変化することがあります。飼料中のタンパク質と炭水化物を、配合飼料や圧ペントウモロコシ、大豆粕などの給与量で調整します。
(3)MUNの調整で注意すること
MUNの値は、前日の飼料成分や飼養環境が反映されます。
またTMRの給与時間、集乳時間の変更により一時的にMUNが変化したと思われる事例もあります。
MUNを調整する際は、給与飼料を変更する前に、その当時の「出来事(天候や牛舎の様子など)」を振り返り、何か影響がありそうな事がなかったか確認して下さい。
秋と春 換気にご注意を
この情報は、令和3年9月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。