ルーメンフィルスコア(RFS)とは・・?
ルーメンフィルスコア(以下RFS)は、直近2~6時間の乾物摂取量(以下DMI)を視覚的に判断するための指標で、1~5の5段階で評価します。
乳牛の左後側から、①腰椎横突起、②最後肋骨、③腰角の3点に囲まれた「けん部(ルーメンが手で確かめられる場所)」の張り具合を確認することで、採食状況を判断することができます(図1)。

図1 RFSの観察部位
粗飼料の切り替え時や、分娩前後での採食量が変化しやすい場面では、RFSも変動しやすくなります。推奨値は搾乳牛で3以上、乾乳牛で4以上とされています(表1)。
スコアのつけ方
表1 各スコアの見方
.png)
スコアをつける際は、ルーメンを押さないようにしましょう。押すと、運動が活発になり、スコアが変動します。また、ルーメンが最もくぼんでいるタイミングで判断しましょう。日々、同じ時間帯(飼料給与から3時間後に確認、など)に観察することで、スコアのバラつきを抑えて評価することができます。
状況に応じて必要な対策を
十分なDMIの確保は、乳量・健康状態・繁殖の基礎となる部分です。RFSを日々の飼養管理に取り入れることで、乳牛の変化を早期に把握し、適切な飼養管理に繋げることができます。
特に、分娩前後は、胎子の急激な成長や体内のホルモンバランスの変化、分娩により、生理的にDMIが低下しやすくなるため、十分な観察が必要です。乾物率や繊維長、発酵状態などの粗飼料品質もDMIに影響を与えます。
RFSが低い、もしくは低下した乳牛が増えた場合、それが牛群全体なのか、一部の個体なのかによって、必要な対策は異なります。表2を参考に要因を確認し、取り組みやすいことから見直していきましょう。
表2 乾物摂取量(DMI)に影響を与える要因

この情報は、2026年1月に釧路北部地域(釧路町・標茶町)の農業者向けに発出した技術情報です。

