今回は、今年収穫された自給飼料の作況調査、収量調査結果や粗飼料分析値などから、傾向や使用法について考えてみたいと思います。
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1 生育および収穫作業の経過
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●1番草
5月の高温により、1番草の生育は順調に経過し、出穂は平年に比べ出穂始で1日早く、収穫も平年より5日早まりました。
●2番草
7月以降の好天により草丈の伸びは順調でした。
収穫作業は平年並みに始まり、収穫終は2日早まりました。
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2 収量(表1) |
・1番草の収量は、2,333kgと平年の104%となりました。
・2番草の収量は、1,292kgと平年の102%となりました。
・1番草と2番草の合計収量は103%となり、サイレージ等は平年並みに確保されたと考えられます。
・飼料用とうもろこしの生収量は、6,554kgと平年の113%とかなり上回りました。
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●飼料用とうもろこし(コーン)
7月以降の好天により、7月中旬から8月上旬までの草丈の伸長は平年を上回り、稈長はやや徒長気味となりました。
8月以降は低温日照不足により登熟はやや遅れ、乳熟期は3日、糊熟期4日、黄熟期9日遅れとなりました。
9月18日の台風18号により、倒伏、折損被害が発生しました。このため、登熟は遅れていましたが、倒伏被害対策として収穫作業を開始したため、収穫始は3日早まりました。
倒伏被害により収穫作業に日数を要し、収穫終は2日遅れとなりました。
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3 栄養価 |
12月時点までに揃った中西部支所管内の粗飼料分析値のデータから、今年の傾向を見てみましょう(表2)
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●1番草
TDNは収穫時期が平年より5日早まりましたが、昨年の平均と比較してほぼ同じです。
繊維含量(NDF)は1ポイント低い傾向です。一方、粗タンパク(CP)は、2ポイント高い傾向にあります。
既に給与している農場からは、「発酵品質もよく、食い込みが良いのでサイレージの減りが早い」との声も聞かれます。
●2番草
栄養価は、1番草同様、、ほぼ昨年と同じ傾向でしたが、嗜好性など引き続き品質を確認する必要があります。
●飼料用とうもろこし
TDN、NDFはそれぞれ平成28年対比100%と前年並になりデンプン含量は3ポイント高い結果となりました。
収穫が早まったために高水分となり、デンプンが排汁と供に流れ出た可能性もあるので、分析結果と牛の反応を確認する必要があります。
倒伏折損被害のため、傷みや土砂混入による品質低下が懸念されます。
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4 給与について |
●食い込み量の確認
開封時は、カビや変敗等に注意しサイレージ品質を見ながら牛が十分に食えているかを確認し、カビ毒吸着剤の使用や、栄養成分の不足を補うなど臨機応変に対応しましょう。
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