農作業事故を防ぐために

農作業事故を防ぐために

 ほ場作業が忙しくなるこれからの季節に向け、農作業事故防止対策について考えてみましょう。

 

農作業機械による事故事例

 まずは、事故事例から要因を検証してみましょう。

事例1 レーキをけん引して砂利道から採草地へ進入した際、レーキが大きく振れ、横転。

【考えられる要因】

  1. 道路に砂利を追加していたため、砂利道とほ場の高低差が大きくなっていた。
  2. レーキを上方にたたんでおり、重心が高く傾きやすかった。

事例2 収穫時、牧草運搬車でほ場へ移動中、公道を右折しようとしたところ、後方から追い越しをしてきた車両と接触した  

【考えられる要因】

  1. 後方確認が不十分だった。
  2. 無謀な追い越しがあった。

 

2つの事例はいずれも「いつもの場所・作業」で「複数の要因」が絡んで事故が発生しています。
このように、慣れた場所や慣れた作業にある危険は、気がつきにくいものです。

 

「慣れ」に潜む危険に気づく

 身近な危険を認識することが事故防止の第一歩です。
 A社(農外)では、従業員全員がヒヤリ(事故の危険を感じた)事例を毎月一つ以上報告し、日常に潜む危険発見に努めています。また、報告をもとに作業手順を作成するなど安全対策を講じています。
 農家経営においても、危険と感じた事項を日常会話で話題にしたり、作業日誌に書き留めることで見落としていた危険因子に気がつくことができます。

作業事故要因を減らす

 数ある事故要因をひとつでも減らしておくことが事故防止につながります。

  • 作業前のほ場見回り
     ほ場作業開始前に、ほ場の見回りを行いましょう。
     ほ場内に落ちている異物(空き缶や鹿の角等)は、作業の邪魔になるので回収します。
     また、路肩が弱くなっている、倒木で道が付されているなどの状況があれば、事前に整備を行いましょう。
  • 機械の点検、整備
     作業中の故障は作業が遅延し、焦りが生じるため、事故のリスクが高まります。
     本格的な作業開始前に機械の点検を行い、不具合がある場合は整備を行いましょう。
  • 作業予定を周囲に伝える
     いつ、どこで、どのような作業を行うかを家族や仲間などへ伝えましょう。
     その際、作業内容や天候、ほ場作業特性などに合わせた注意喚起の声かけを行うことで、作業者の「危険」に対する意識が高まります。

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      状況に応じた注意喚起を


 

  • 作業機の安全対策を確認
     飼料用とうもろこし収穫作業中、エンジンを止めずに詰まりを除去しようとして巻き込まれ、大けがをした事例があります。事故発生時、ダンプの運転手が助けに行きましたが、エンジンの止め方がわからず対応できなかったそうです。
     オペレーターのみならず、関係者全員が機械の止め方や組作業の時の合図、応急処置の方法など安全対策を確認しましょう。

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エンジンを止めてから詰まりを除去

 

 各農場の作業体系やほ場環境などにより危険要因は異なります。この機会に作業安全について検討してみて下さい。


 

 

 

 

 

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