石灰質資材の散布で収量アップ

石灰質資材の散布で収量アップ

 

 

 

 平成30年産の1番草は、適期刈りできたほ場では平年より低収量の傾向でした。低収量の要因には、土壌の酸性化と生育期(5月頃)の干ばつが大きく影響しています。
 対策として、今回は草地への石灰質資材の散布について考えたいと思います。

 

 

 

 

1 地域の現状

 釧路管内のある地域で平成28年に全筆土壌分析を行いました。結果として石灰が足りていないことがわかりました(図1)。

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2 散布有無の比較 

  石灰が足りない場合にはどんな影響があるでしょうか。炭カル施用区と無施用区を比較し、更新後6年で無施用区では収量が8割程度となってしまった結果が出ています(図2)。

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3 干ばつ時の影響

 また、土壌水分が少ない場合には酸性土壌で特に低収となる試験結果があります(図3)。酸性土壌とは低pHを指します。
 適正なpHを保っている草地では干ばつ時の影響が少ないですが、低pHとなり酸性化した草地では収量低下の程度が大きくなります。

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4 石灰の散布タイミングと散布量

 春施肥の場合、化学肥料散布後1~2週間で散布を行いましょう。
 量は、pH5.5~6.0の場合、現状のpHを維持するためには炭カルで1年間、10a当たり40kg必要となります。2~3年分の一括施用も可能ですが、雨で流れてしまう可能性もあるため、毎年施用することをおすすめします。

5 事例

 平成28年に土壌分析を行い、土壌中の石灰が少ないことがわかったA農家では、今まで利用していなかった石灰質資材を散布するようになりました。
 平成28年には基準値未満のほ場がほとんどでしたが、平成30年の秋に土壌分析を行った結果、約半分のほ場で石灰が基準値内となり、石灰・苦土比も基準値となるほ場が増えました(図4)。

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 土壌分析を行い、pHや石灰含量を確認し、石灰の定期的な施用で良質粗飼料を生産しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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