冬に向けて備えましょう!~子牛の防寒対策~
子牛が寒冷ストレスを受け始める温度は?
子牛が寒冷ストレスを受け始める温度は9℃です(表1)。
子牛は親牛に比べて皮下脂肪や被毛が少ないため、体温を維持することが困難です。
今年の冬を乗り切るため、子牛の防寒対策について紹介します!
表1 乳牛の下臨界温度 ※
区分 | 下臨界温度 |
ほ育牛 |
9℃ |
育成牛(1ヶ月齢) |
0℃ |
泌乳牛 |
-24℃ |
乾乳牛 |
-14℃ |
※ 下臨界温度とは、寒冷ストレスにより熱生産量が増え始める温度のこと。
【引用】「乳牛管理の基礎と応用」(2012) DairyJapan社
子牛を寒さから守るための工夫
ネックウォーマー&カーフジャケット(写真1)
ネックウォーマーは、市販されている人間用で大丈夫です。体からの熱放出を防ぐことで、子牛の消耗が少なくなります(※濡れてしまうと逆効果になるので、表面が防水加工されているものを選ぶとよりGood!)。
写真1 首だけでも効果あり
湯たんぽを置く(写真2)
要らなくなったポリ容器に60~80℃のお湯を入れてハッチの中に置くだけです。ハッチ内の温度を上げるだけでなく、子牛が触れることで直接、体温を上げる効果もあります(火傷が心配であれば、敷料や布などで覆えば安心です)。
写真2 湯たんぽの側にいれば、ヌクヌク
ペンに屋根を設置する(写真3)
建物の中では、暖かい空気がどんどん上に逃げてしまいます。これを防ぐため、ペンに屋根(シートやコンパネ)を設置した事例です。滑車をつけて開閉式にしたり、釘などで固定せず移動式にすることで掃除がしやすくなります。
写真3 暖かい空気が溜まる
敷料をたっぷり敷く
冷たいコンクリートの床や凍結した土は、子牛のお腹を冷やします。敷料をたっぷり敷き、底冷えを防止しましょう。また、糞尿で敷料が濡れると子牛も濡れて逆効果になりますので、スノコを活用して敷料を乾燥させましょう。
写真4 ふかふか
寒さで路面が凍結する時期になりました。砂や凍結防止剤などを散布し、転倒を防ぎましょう!
(この情報は、2017年12月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発信したものです。)