牧草収穫の注意点
一番草の収穫時期が近づいてきました。今一度収穫前に確認しておきたい点をまとめました。
1 収穫時期について
当地域で主に利用されている基幹草種はチモシーです。チモシーはイネ科牧草であり、イネ科牧草の刈り取り適期の特徴として次の点があります(図1)。
図1 刈り取り時期と収量、栄養分の関係
経営において必要となる確保量も重要です!農場に合った収量となるよう計画しましょう。
2 出穂について
1平米当たり2~3本が出穂した時を「出穂始」、ほ場の約半数が穂を出した時期を「出穂期」と呼びます。
また、草種・品種により刈り取り適期が違います(図2)。
図2 草種・品種による刈り取り適期の違い
3 刈り取り高について
草地におけるほ場内のチモシーの割合を維持し、収量を増やすためには一番草で出穂する茎を増やすことが重要です。刈り取り後の再生は球茎に残された養分を利用しています。一番草を低く刈り第一節より下を傷つけてしまうと分げつ数が減ってしまいます。分げつ数を増やすためには第一節を傷つけない必要があります。
そして、地際部分のほうが太いため高刈りをした当年目の一番草は収量が減りますが、翌年は分げつ数が増えることで収量は同等または増えることがわかっています。
また、刈り高を高くすることで二番草の再生を早め、チモシーの衰退と、雑草の侵入を抑える効果があります。
表1 釧路管内A牧場での高刈りの効果
低刈り 分げつ数1~2本 高刈り 分げつ数4本
写真1 刈り高の違いによる分げつ数の差
刈り取り高を高くする効果は次の点が上げられます。
・草地からの異物混入防止 ・予乾の促進 ・二番草の再生が早まる ・植生の永続性が高まる |
刈り取り高の目標は10cmとしましょう!
そのためには、スキットプレートの装着、カッターバーの調整を検討してみてください。
(令和2年5月作成)
この情報は、2020年6月に本所が地域の農業者向けに発出したものです。