限られた人数で、作業効率を上げるに
あちらこちらで労働力不足の話を聞きます。雇用を導入している経営だけでなく、家族経営の農場でも今後世代交代等で労働力の減少が考えられます。北海道立農業試験場が行った「2015年農林業センサスを用いた北海道農業・農村の動向予測」では、厚岸町の販売農家1戸当たりの生産年齢人口が10年後、2.4人から2人になると予測されています(図1)。少ない人数で、より効率的に作業を行うことが今後重要となってきます。
設備投資など多額の費用をかけずに、作業のやり方・進め方を見直すなどして作業効率の改善を考えてみませんか?。
図1 販売農家1戸当たりの生産年齢人口(15~64歳)の推移・予測
(「2015年農林業センサスを用いた北海道農業・農村の動向予測」(北海道立総合研究機構農業試験場資料第42号より))
1 作業動線を見直す
使用する道具等の配置が悪いと、無駄に歩く場合が多く、運動量が多くなり作業に時間がかかります(図2)。機械を使う場合は、行き止まりを作らず通り抜けられるつくりにすると効率が上がります。
図2 使用頻度の高い器具、備品は牛舎内に複数配置し、移動距離を短くする
2 作業方法・進め方を見直す
誰でも作業ができるようにすると、担当者不在でも作業が進みます。
写真1 担当者でなくても間違わず対応できる表示
図3 1人でも牛の移動ができる仕組み事例(パドックに通路を作って、移動させたい牛だけ通路に移動)
3 5S+1Sで、作業環境の効率化を図る2 施肥
5Sとは次の5つの言葉の頭文字を取ったものです。
1 整理(必要な物と不要な物を区別して、不要な物を処分する)
2 整頓(必要な物を誰でもすぐに取り出せる状態にする)
3 清掃(汚れがない状態にする)
4 清潔(整理、整頓、清掃した状態を維持する)
5 習慣 (これらの活動を継続的に実行する)
作業場所が煩雑だと、作業スペースが狭くなり、また必要なものを探す時間が増えます。綺麗な職場は家族や従業員のストレス軽減、作業の効率化にも繋がります。合わせて、危険な場所がないか安全性についてもみんなで検討してみましょう。
図4 5S+1S
写真2 必要なものを誰でもすぐに取り出せる状態にしておくと、探す時間の短縮になる。
ヒヤリ・ハットは、危険シグナル! 忙しい時こそ「安全確認」省かずに!
この情報は、2020年9月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。