とうもろこし畑の心土破砕のすすめ
とうもろこし畑では近年、機械の大型化により、耕盤層の形成が多く見受けられ、排水性が悪化しています。
普及センターでは、畑の排水性を改善するため「心土破砕施工」の試験を実施してきました。
1 心土破砕の必要性
とうもろこし畑では、繰り返し行われる大型機械による作業・走行で下層土に硬く締まった耕盤層が形成されます。
その結果、耕盤層の下まで根を伸ばすことが出来ず、とうもろこしは倒伏のリスクを高めます。また、大雨が降ると作土層は滞水し、生育や作業に遅れが生じてしまいます。
図1 心土破砕の必要性
2 根張りの改善につながった心土破砕
この試験では、対象ほ場が河川に近く、下層に石礫が多いため、石をもちあげづらいハーフソイラを使用し、50センチメートルの深さで施工しました(写真1)。
写真1 ハーフソイラ施工
試験の結果、ハーフソイラー施工区は無施工区と比較して、生育初期(6月中旬)の根張りの改善が見られました(写真2)。心土破砕で耕盤層を破砕することにより、健全な根を下層まで伸ばすことができて、倒伏の軽減につながります。
写真2 生育初期の根張り
また収量を比較すると、子実収量が多く全体の乾物収量も多くなりました(図2)。
図2 心土破砕による乾物収量
3 心土破砕施工の留意点
心土破砕を施工するうえで、次のような点に気をつけてください。
(1)時速3キロ程度とゆっくり走行することで、確実に耕盤層を破砕することができます。
(2)施工の方向は、作業の方向に対し、斜めに施工します(図3)。
図3 心土破砕の方向
来年度のとうもろこしのために施工を考えてみませんか。
(令和2年9月作成)
この情報は、2020年10月に釧路中西部支所が地域の農業者向けに発出したものです。