草地更新・植生改善を進めましょう
昨年と今年は、牧草収量が多く、在庫が比較的豊富と思われます。
このような時こそ、草地更新のチャンスです。
次年度の草地更新計画に当たって、釧路北部地区で見られる草地更新の課題を取り上げたいと思います。
特に夏更新の場合は、余裕を持った計画で播種遅れにならないよう心がけてください。
除草剤の浸透期間が短い
「2~3年で雑草畑に逆戻り」を避けるため、除草剤散布は重要な作業です。
1番草収穫後の除草剤散布が早すぎると、十分に農薬を吸収するだけの葉面積が不足で効果が落ちます。
草地更新するほ場は、1番草を早めに収穫し、雑草をできるだけ伸ばして(40cm程度)から除草剤散布を実施しましょう。
<夏更新除草剤の注意点>
(1)耕起前除草は、シバムギの草丈が40cm程度に伸ばした時期が有効。〔畜産試験場成績〕・・・刈取後約1ヵ月後
(2)除草剤散布後は、農薬を根まで浸透させるため、2週間以上耕起しない。
(3)除草剤散布後1週間は、トラクタ走行も避ける〔写真参照〕
写真 スカベンジャ走行跡にシバムギ再生
表層の重点的土壌改良
牧草地の土壌改良は、表層を重点的にする必要があります。
更新時の石灰散布は、耕起後・攪拌前に実施しましょう。耕起前に全量投入すると、表層が改良されないことになります。リン酸資材と肥料は、表面に施用します。攪拌して土壌中にすき込むことは無駄になります。
<土壌改良資材の施用>
(1)石灰資材は、耕起後、攪拌前に施用
(2)消石灰100kg/10a以下の施用では、表面散布で問題なく牧草は発芽する(窒素が揮発する欠点あり)
(3)500kg/10a以上の施用は、耕起の前後で施用を分けるが、7~8割はプラウ後に施用する
(4)リン酸資材、肥料は表面施用
播種後のギシギシ対策
ギシギシの埋土種子は、草地更新すると必ず発芽します。(経年草地は発芽せず眠っています)
「草地更新はギシギシ対策がセット」と考え播種当年内に効果的に防除しましょう。
<新播のギシギシ防除>
・ハーモニー75DF水和剤が効果的
・越年株の枯殺より薬量が少なく枯殺できる
薬量:0.5~1.0g/10a
時期:播種牧草定着後
おおよそ播種後40日位の時期(強い霜の前)
(令和2年10月作成)
この情報は、2020年11月に本所が地域の農業者向けに発出したものです。