牧草の刈取高は10cm以上で

牧草の刈取高は10cm以上で

 

 

 牧草は短い草丈で採食させることで、「牛」「草」ともにメリットが発揮できます。

 

 

1 牧草の刈取高の設定は10cm以上で 

(1) チモシーの茎数維持には“分げつ”の確保が大事

 チモシーは、オーチャードグラスと違い、収穫すると刈り取られた茎は枯死し、わき芽(分げつ)から再生していきます。
 そのため、チモシー草地を長く維持するには、分げつを“早く”、“多く”育てるのがポイントとなります。

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【撮影地】厚岸町【刈取日】2019年6月11日【撮影日】同年6月19日

(2) チモシーを10cm以下で刈り取ると、約3割の分げつ茎が刈り取られてしまう

 チモシーの分げつは、刈取前にはわずかながら始まっています。普及センターが2019年6月25日~7月3日に行った調査では、この時点で32%の分げつ茎が長さ10cm以上になっていました(図1)。
 10cm以下で刈ると2番草の茎がその分減ってしまいます。

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図1 長さ別の分げつ茎数【採取日】2019年6月25日~7月3日【採取地】厚岸町内 9ほ場 n=180

(3) 高く刈り取ると牧草への異物混入も減らせる。


 刈取高を高くすることで、良好なサイレージ発酵の妨げになる異物(土砂・ふん尿残渣)の混入を軽減することができます。

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図2 刈り取り高毎の原料草の汚れ【採取地】浜中町【採取日】2017年7月5日

(4)モアの刈取高の設定は10cm以上で


 草地は、軟らかく、凸凹もあるため、タイヤが沈む分、設定値より刈取高が低くなる傾向にあります。
 普及センターの調査では、実際の刈取高は、モアの設定刈取高より±3cm程度上下していました(図2)。

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図3 モア設定刈取高11cmの場合の実際の刈取高【調査地】厚岸郡内 9ほ場 n=90

2 農作業事故に注意しよう


 農業機械事故の約1割が、ハーベスター、ロールベーラといった収穫作業機械によるものです(図4)。
 エンジン始動前の周囲確認、異物除去など作業中断の際のエンジン停止などを徹底し、農作業事故を防ぎましょう。

 

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図4 農業機械事故の機種別件数(平成22年度~令和元年度)
【出所】令和元年度農作業事故報告書(令和2年8月)北海道農作業安全運動推進本部

 

家族みんなの「声かけ」で安全確認をしましょう。 

この情報は、2021年6月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。

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