暑熱対策~牛の乾物摂取量が不足していないか確認!~

 暑熱対策~牛の乾物摂取量が不足していないか確認!~

 牛の暑熱ストレスが気になる時期になりました。夏期は、採食量が落ちやすくなります。暑熱ストレス下でも、採食量を確保するには、良質で繊維含量の少ない粗飼料を給与したり、十分な飲水ができる環境をつくる必要があります。対策を取るために、まず牛がしっかり食べることができているか確認しましょう。今回は、牛の採食量の指標となるルーメンフィルスコアについて紹介します。


1. ルーメンフィルスコア(RFS)とは
ルーメンフィルスコアは、牛のルーメン(第1胃)の充満度を5段階で表したもので、乾物摂取量の充足や飼料の通過速度を判断する指標となります。おおよそ給与後2~6時間の乾物摂取量が反映され、スコアが高いほど乾物摂取量が多いことを示します。

図1ss.jpg


2. ルーメンフィルスコア(RFS)の計測方法
ルーメンフィルスコアの計測方法は、牛の左側から見て①肋骨、②脊椎の横突起、③腰骨に囲まれた部分の張りや凹み具合から判断します(写真1)。
各スコアは表1のとおりになります。

図2ss.jpg


 

 

3. ルーメンフィルスコア(RFS)の活用方法
ケース①「スコア2以下の牛がいる。」
 →牛群全体的にルーメンフィルスコアが低い場合
  粗飼料の給与が足りないかもしれません。給与量を確認しましょう。
いつもと同じ量を給与していても、サイレージの水分が上がると乾物摂取量が足りなくなる場合があります(表2)。

図3ss.jpg
 
サイレージの食いつきが悪いときは、ビートパルプやルーサンヘイなど嗜好性の高い中間飼料の併給や糖蜜飼料の利用を検討しましょう。
 →牛群内の数頭のみルーメンフィルスコアが低い場合
 蹄が痛くて飼槽まで来られない状態や産後の体調不良などが考えられます。牛の状態を確認しましょう。
ケース②「時間帯によって1ポイント以上差がでる。」
→常時牛の前に飼料があるようにしましょう。
常に牛の口が届く範囲に飼料があるように、エサ寄せの回数を検討しましょう。牛は、1回の採食行動で採食に20~30分、休息に1時間、反芻に1.5~2時間の時間をかけるので、給与後2~3時間後には1度エサ寄せすると良いと思われます。
ケース③「同一牛群にスコアの高い牛と低い牛がいる。(フリーストール牛舎)」
→食い負けている牛はいませんか?
飼槽全体に均一に粗飼料を配りましょう。
密飼いになっていないか確認しましょう。
エサ寄せの回数を増やして、食い負けしている牛が食べるチャンスを増やしましょう。
給与してから約20分後、強い牛が休息しているタイミングでエサ寄せを行いましょう。

水分補給で牛も人も暑熱対策

 

この情報は、2021年7月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。

釧路農業改良普及センタートップページ技術情報のページ  

カテゴリー

釧路農業改良普及センターのカテゴリ

お問い合わせ

釧路総合振興局産業振興部釧路農業改良普及センター

〒088-2313川上郡標茶町常盤8丁目5番地

電話:
015-485-2514
Fax:
015-485-2249
cc-by

page top