P/F比を見る。

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1 P/F比とは

 乳蛋白質率を(P)を乳脂率(F)で割ったものです。

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乳検では、2013年11月から表記が始まりました(図1)。
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図1 P/F比が表記された検定成績表(牛群)の例

個体乳検査・バルク乳成分検査でも乳蛋白質率÷乳脂率で計算できます。

2 P/F比から見えるもの

 ルーメンの微生物は、澱粉・糖などをエネルギー源に増殖し、繊維を分解・発酵して乳脂肪の原料になる揮発性脂肪酸(主に酢酸)をつくります。最後は自ら蛋白源(微生物態蛋白質)となって消化・吸収され、乳蛋白質の原料になります(図2)。
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図2 飼料と乳成分合成(イメージ)

 このように、乳蛋白質率は飼料のエネルギーの利用状況、乳脂率は繊維(粗飼料)の利用状況を反映しており、乳蛋白質率と乳脂率の比“P/F比”によって「ルーメンの発酵がうまくいっているか」=「飼料が効率的に使われているか」を推測できます。

3 P/F比の目安

表1 P/F比の目安

P/F比 推定される事象 対応例
~0.7 Pが低い:飼料のエネルギー不足
Fが高い:低乳量、体脂肪の動員
エネルギー系飼料(とうもろこし、大麦)の増給
分娩後の疾病確認、乾乳期管理の見直し
0.7~1.0 適正  
1.0~ 粗飼料の不足(給与量の不足、変敗・劣化による採食量の低下)
ルーメンアシドーシス
粗飼料の増給
粗濃比の見直し(粗飼料比率を高める)
※ 乳蛋白質率が3.2%未満、乳脂率が3.0%未満の場合 採食量の絶対的不足 飼料の増給
 

 

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この情報は、2021年9月に厚岸郡(厚岸町・浜中町)の農業者向けに発出したものです。

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