フロストシーディングをうまく活用しよう
フロストシーディングとは
牧草の発芽に適さない初冬時期には種し、種子の状態で越冬させて翌春の融雪後に発芽させる簡易更新方法です。
ハーバーマットによるフロストシーディング
どんな場面で使えるの?
〇夏は種における発芽不良の草地の補修として。
〇夏更新を予定していたが、作業工程が遅れ、は種タイミングを逃したとき。
(更新時のは種作業が9月10日以降の場合は、発芽や定着、収量性が悪くなるリスクが高くなります。)
定着は見込めるの?
通常更新より若干発芽率は劣りますが、十分に定着が見込めます。条件により牧草の定着度は変化します。条件や注意点について後述します。
フロストシーディング施工後の翌春
は種方法やは種時期はいつ?
は種方法
主に作溝型は種機を用いて、耕起することなく、直接表土には種します。
は種時期
11月中下旬から12月初旬にかけて、概ね1~2週間が適期です。
は種時期の始めの目安は、日平均気温が5℃を下回る頃です。
は種限度の目安は、表土の凍結が3cm程度までです。これ以上土壌凍結が進行すると、追播機のタイン(爪)が地面に刺さらなくなります。
シードマチックによる追播
フロストシーディングに適した品種やは種量は?
チモシーをはじめ、イネ科牧草であればフロストシーディングに向きます。
但し、マメ科牧草はフロストシーディングに向きません。
マメ科を混播したい場合は、翌春の施肥作業の際、肥料とマメ科種子を混ぜて播きます。
は種量はリスクを考慮し、通常(2.0kg/10a)より20%程度増量します(2.2~2.5kg/10a)。
フロストシーディング施工の注意点
土壌pHを6.0以上にする。
pHが基準に満たなければ、施工前に炭カル等を施用し、pH改善を図ります。
雑草優先草地は不適です。
地下茎雑草(シバムギ・リードカナリーグラス等)が優先する草地では、表層部に地下茎が密集するルートマットが存在するため、追播やフロストシーディングには不適な環境です。ロータリ等で表層撹拌を行った上で、地下茎型雑草に強いオーチャードグラスを選択したフロストシーディング、もしくは翌春以降に植生枯殺による完全更新法を選択します。
JAや地域内で、牧草追播機が利用できる環境が整っています。草地診断やフロストシーディング等については、普及センターまでお問い合わせ下さい。
この情報は本所が2021年9月に地域の農業者に発出するものです。